引かないSamsung社

 Samsung社は、Apple社の提訴に対して一歩も引かずに争う。Apple社による訴えの内容を否定するとともに、自社の特許をApple社がiPhoneやiPadなどで侵害したと反訴した。「最初は落としどころを探ったりせずに、全力でぶつかるのが米国流のやり方だ。既にSamsung社には、それが染み付いているのだろう」(米国の知的財産権事情に詳しい弁護士)。

 Samsung社がApple社による侵害を訴えたのは、12件の特許である。USPCの大分類のレベルでは「電気通信」「多重通信」「エラー検知」「暗号化」「テレビジョン」といった多様な分野にわたる。出願時期も1998~2007年の間で散らばっている(表2)。通信系の技術が中心ではあるが、特定の分野にこだわることなく、あらゆる特許を挙げた。

表2 Samsung社が米国の訴訟でApple社による侵害を訴えている米国特許の一覧
「パテントスコア」と「レイティング」には、パテント・リザルトによる評価を示した。技術分野は、USPCの階層的な分類を示している。2011年12月時点のデータであり、この後、訴訟の対象となる特許は絞られた。
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 パテントスコアが比較的高いのは、「送信/受信のための携帯型の複合的な通信端末およびそのイメージ、操作方法、通信システム」(特許番号:7,577,460)と「携帯型端末におけるマルチタスキングの装置および方法」(同:7,698,711)の二つである。どちらも、Samsung社が2011年6月に提出した修正版の訴状において追加したものだ。

■変更履歴
掲載当初、表2の1行目の特許番号に誤りがありました。現在は修正済みです。お詫びして訂正します。 [2012/08/31 14:40]