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EVは米国で受け入れられるか:後編

日産「LEAF」の大いなる挑戦

Phil Keys
2012/08/27 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2011年9月19日号 、pp.21-22 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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LEAF出荷の44%は米国向け

 Nissan社によると、2011年8月22日時点で、LEAFは全世界で1万2087台が出荷されたという。そのうち5287台、つまり全出荷の44%が「ガソリン社会大国」の米国市場向けである。この事実は、2015年までに米国で100万台のEVを走らせると公言している、オバマ大統領を喜ばせることだろう。 

 米国のある報道機関によると、日産はEV市場での成功をつかむために56億米ドル(約4298億円)の資金を投下している。米国では、その資金の一部を2種類のテレビCMやビルボード、雑誌広告などマーケティング活動に利用している。

 中でも米国で注目を集めているのが、ドライヤーや電動歯ブラシなどがガソリンで動く虚構の世界を描いたテレビCMだ(図1)。「ガソリンで駆動し、排気ガスや雑音を出す家電製品って考えにくい。だから、自動車も電気で動作すべき」というメッセージを伝えるのが狙いとみられる。

図1 米国でのLEAF関連のマーケティング活動
(a)は米国で話題になった、Nissan North America社が作成したCMの一画面。同社は「Drive Electric Tour」というLEAFの試乗ができたり、関連情報を提供するイベントを開催している(b)。LEAFのスマートフォン用アプリは、充電状態の確認やエアコンの起動などができる(c)。
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 Nissan社は、米国の一般消費者にはまだ馴染みがないEVの認知度を広めるため、LEAFの試乗や各種の情報を提供するイベント「Drive Electric Tour」を全米各都市で開催している。同社によると、2012年1月までに、48の都市で開催する予定。2010年11月から2011年2月までに、LEAFの試乗回数は約5万回に達する見通しとしている。

従来のEVのイメージ変える

 市場調査会社の米Gartner社、Vice President AutomotiveのThilo Koslowski氏は、「LEAFが一般道を走ることによって、その姿を見た米国人はEVがようやく現実的な選択肢の一つになったと感じるだろう」と語る。これまで米国では、米Tesla Motors社の2人乗りスポーツカー「Roadster」がEVとして名の知られた存在だった。しかし、Roadsterは価格が10万米ドル以上もする「お金持ちの玩具」というイメージが強い。LEAFの登場は、EVを一般消費者に一気に身近な存在にする意味がある。もっともKoslowski氏は、米国市場におけるEVの比率は「2020年までに5~8%にとどまる」という予測を、LEAF登場後も変えていないと言う。

 EVの普及促進団体であるPlug In America、Industry Committee、Chair兼DirectorのRon Freund氏は、1980年代からEVを所有している筋金入りだ。Freund氏は、米国の消費者に対してEVが普及する可能性を示したのは、Tesla Motors社だという。「LEAFのインパクトは、補助金などの支援を受ければ、一般消費者でも手の届くところまでEVの価格を下げたことにある」(同氏)とする。現在、米国で21の州が、EVの導入を支援するために補助金を提供する政策を実施している。

 Freund氏は、LEAFの使い勝手を高く評価している。特に残りの走行可能距離がパネルに表示されるなどの情報提供機能は、従来のEVと比較するとかなり改善されたという。

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