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EVは米国で受け入れられるか:前編

日産「LEAF」の大いなる挑戦

  • Phil Keys(米国シリコンバレー在住)
  • 2012/08/23 00:00
  • 1/2ページ
筆者の愛車、米国仕様の「LEAF」
筆者の愛車、米国仕様の「LEAF」

 我が家は2011年7月に、日産自動車の電気自動車(EV)「LEAF」を購入した。「国土が広い米国でよくEVを買ったなあ」、と思われる読者もいるかもしれない。

 確かに、現在のEVには一回の充電で走行できる距離に制約がある。それは実用上、大きなネックになる可能性もある。それでもLEAF購入を決めたのは、社会に少しでも貢献したいという考えを持ったからである。

 私は子供時代を米国西海岸の「シリコンバレー」で過ごし、今でもそこに在住している。子供時代からシリコンバレーの大気汚染の問題は非常に気になっていたし、地球温暖化はその懸念を増幅させた。

 さらに米国の政治や国家安全保障を考慮すると、海外から石油を購入することで大量の資金が米国から流出することは、国益にかなわない。こうした点から、LEAFの購入を決めた。私の知り合いでLEAFの購入を予定している2人も、同様の考えを持つ。

1万米ドル以上の補助金

 LEAFの購入を後押ししたのは、税金の控除や補助金の支給である。LEAF単体の価格は、税金などを含むと約3万8000米ドル(約292万円)。さらに、車庫に240V仕様の充電装置「EVSE(electric vehicle supply equipment)」を導入した。これが約3000米ドル(約23万円)かかる(図1)。つまり、合計で約4万米ドル以上(約307万円)の買い物になる。

図1 自宅の車庫が「燃料ステーション」に変身
LEAFに対応したEVSEの導入には、合計3000米ドル以上の費用が掛かった。同装置は、Coulomb Technologies社製の「CT500」(a)。やはりLEAFの最大の課題は走行距離。パネルに表示される残りの走行可能距離はいつも気になってしまう。
[画像のクリックで拡大表示]

 ところが、補助金などの合計は1万1500米ドル程度(約88万3000円)であり、実質的には他のミドルクラスの自動車と同様、3万米ドル程度で購入できる。内訳は、米連邦政府の税金の控除が7500米ドル(約57万6000円)。カリフォルニア州政府からの補助金が2500米ドル(約19万2000円)。さらに米連邦政府から、EVSEの導入にかかったコストの50%分の税金が控除される(2010年時点)。

 EVの購入に当たっては、初期費用のほかに、将来的に電池が劣化した際の電池交換費用を考慮に入れておく必要がある。米Nissan North America社(以下、Nissan社)は電池交換費用を未公開としているが、ある報道機関の情報によると、現時点で全交換に1万8000米ドル(約138万2000円)がかかるという。もちろん、将来この価格は下がるはずだが、ユーザーの負担は小さくない。

 一方、維持費ではEVがガソリン車より有利な面もある。シリコンバレー地域の電力事業者は、EV向けに電気料金が割安になる時間帯を設定しており、容量24kWhの電池を約1.2米ドル(92円)で満充電できる。これで約130km走る。ミドルクラスのガソリン車で同じ距離を走ると、燃料代は約10米ドル(768円)になる。EVでは、定期的なオイル交換なども不要である。こうした点から、EVの長期間の維持費は、ガソリン車とさほど変わらない、と私は見ている。

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