パナソニックは、全社が内向きの仕事を減らし、より顧客に向かって集中できるように、2012年10月1日付けで本社・ガバナンスの改革を実施すると発表した(ニュース・リリース:PDF)。

 発表によれば、改革の内容は次の三つである。

(1)コーポレート戦略本社とプロフェッショナル ビジネス サポート部門を設置
 150名規模の「コーポレート戦略本社」を設置し、「中期グループ戦略の立案・経営資源配分」、「キャッシュフロー(資金重視)経営の推進」、「幹部開発」等の戦略機能を強化する。また、従前の本社の上記以外の機能については、「プロフェッショナル ビジネス サポート部門」として再編を行い、関連する複数の部門を大括り化・シンプル化する。

(2)本社R&D部門における既存領域テーマの前線化と、ミッションの見直し
 本社R&D部門における既存事業領域の持続的成長を支えるテーマ・人員をドメインに移管し、現場の中期事業創出力を強化する。一方、本社R&D部門の新たなミッションを、次の2つとする。
(a)長期的にパナソニックの経営に貢献し得る新規成長分野の研究開発、事業創出
(b)全社にまたがる共通技術開発、全社技術行政・サポート活動
 これにより、新規事業の探査・起案および事業育成・事業化推進活動の強化・人材育成を推進していく。

(3)グループにおける意思決定の仕組みの見直し
 グループの中・長期的な戦略や重要課題について多面的に議論し、適切かつスピーディに方向づけしていくため、10名程度のグループ経営幹部で構成する「グループマネジメントチーム」を設置する。同時に、同チームによる議論・方向づけの場として、従来の「グループ常務会」や「全社技術戦略会議」等の機能を統合し、「グループ戦略会議」を設置する。
 また、グループにおける重要案件の意思決定を行う場として、従来の「グループ・マネジメント・コミッティー」や「決裁会議」等の機能を統合し、「グループ重要案件審議会」を設置する。同審議会は、取締役会の前置機関として、その意思決定機能を補完・強化する役割を担う。

 なお、パナソニックは、「コーポレート戦略本社およびプロフェッショナル ビジネス サポート部門の設置」および「本社R&D部門における既存領域テーマの前線化と、ミッションの見直し」については、2012年8月3日付で労働組合に申入れた。