図1 ソニーの神戸氏
図1 ソニーの神戸氏
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図2 決算の概要
図2 決算の概要
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図3 セグメント別の業績
図3 セグメント別の業績
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 ソニーは2012年8月2日、2012年度第1四半期(2012年4~6月)の連結決算を発表した(PDF形式発表資料)。売上高は、英Sony Mobile Communications社が連結対象となったことで、前年同期比1.4%増の1兆5152億円に拡大した。営業利益は同77.2%減の63億円、純損益は246億円の赤字(前年同期は155億円の赤字)だった。モバイル機器部門の収益悪化や為替の影響、構造改革費用として113億円を計上したことが影響した。

 エレクトロニクス事業のセグメント別の業績は以下の通り。デジタル・カメラなどの「イメージング・プロダクツ&ソリューション」(IP&S)は、売上高が前年同期比7.6%増の1938億円、営業利益が前年同期比ほぼ横ばいの126億円となった。「レンズ交換式カメラが好調だったが、コンパクト機の落ち込みを補えなかった」(ソニー 業務執行役員 SVP 広報・CSR担当の神戸司郎氏)とする。

 「ゲーム」は、売上高が前年同期比14.5%減少の1180 億円、営業損益が前年同期の41億円の黒字から35億円の赤字に転落した。2011年12月に発売した携帯型ゲーム機「PlayStation Vita」(PS Vita)が好調だったが、「プレイステーション・ポータブル」や「プレイステーション3」のゲーム機本体とゲーム・ソフトが不振だった。ゲーム機の販売台数は、据え置き型が280万台、携帯型が140万台である。

 スマートフォンやパソコンなどの「モバイル・プロダクツ&コミュニケーション」(MP&C)は、Sony Mobile社が連結対象となったことで、売上高が前年同期比132.9%増加の2856億円に拡大した。一方、営業損益は、前年同期の16億円の黒字から281億円の赤字となった。パソコンの減収やSony Mobile社の子会社化に伴う費用の計上が響いた。主要製品の販売台数は、スマートフォンが740万台、パソコンが180万台である。タブレット端末の販売台数は明らかにされなかった。

 薄型テレビなどの「ホームエンタテインメント&サウンド」(HE&S)は、売上高は前年同期比26.2%減の2518億円、営業損失は前年同期に比べ36億円縮小し100億円となった。日本と北米、欧州で、液晶テレビの販売台数が減少したとする。液晶テレビの販売台数は360万台。「数量ではなく収益を重視しており、改善に向かっている」(ソニー)という。

 「デバイス」の売上高は、前年同期比14.4%減少の2173億円。CMOSイメージ・センサが好調だったが、中小型ディスプレイ事業の売却などで減収となった。営業利益は、同3倍の159億円だった。

 2012年度通期における業績見通しの下方修正も、併せて発表された。売上高は、2012年5月時点の前回見通しから6000億円減の6兆8000億円とした。営業損益は同500億円減の1300億円、純利益は同100億円減の200億円を見込む。