ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長の赤尾泰氏
ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長の赤尾泰氏
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 ルネサス エレクトロニクスは、2012年度第1四半期の決算結果を発表した。売上高は、前年同期比10.0%減の1866億円だった。減収となったのは、欧州や中国を中心とした市況停滞の継続による需要軟化に加え、特に対ユーロにおいて円高が進行したことなどが理由である。

 営業損益は、前年同期比で15億円改善し、176億円の赤字となった。236億円の営業赤字だった直前四半期比では損益が60億円改善している。売上減による利益減があったものの、研究開発の効率化や、販売費および一般管理費の抑制などにより、赤字幅を縮小した。

 同社は2012年度通期の連結業績予想も公表した。売上高は8680億円と、前年度比で151億円ほど減少する。それでも、内訳を見ると、上期の売上高4060億円に対し、下期には4620億円の売上高を見込んでおり、下期に持ち直す予測になっている。その傾向は、営業損益でより鮮明に現れる。上期の営業損益は255億円の赤字予測だが、下期には465億円の黒字を見込み、通期では210億円の営業利益を計上できるとした。一方、当期純損益については、早期退職優遇制度や事業・生産構造対策の実施などによる特別損失として1550億円の計上を見込み、通期で1500億円の赤字となる見通しだ。

 同社は国内生産拠点再編の方向性について、最新の状況を明らかにした。2012年7月の方針説明会では、現在18カ所ある国内生産拠点のうち最大10カ所を削減する方針を示していたが、今回は実行時期をより明確化した。まず、前工程工場のうち、鶴岡工場については、300mmウエハーラインは今後1年をメドに譲渡を検討し、125mmラインは3年をメドに譲渡または集約を検討する。山口工場の150mmラインに関しては、1年をメドに譲渡検討する。

 後工程工場は以下の方針で再編を進める。函館工場、福井工場に関しては、1年をメドに譲渡検討する。青森工場については、外販の生産負荷に応じた適正体格で運営し、1年をメドに譲渡を検討する。柳井工場は3年をメドに集約を検討し、山口工場は2013年度下期に集約を予定する。熊本(錦)工場は3年をメドに譲渡または集約を検討する。