パナソニックの河井氏
パナソニックの河井氏
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決算の概要
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 パナソニックは2012年7月31日、2012年度第1四半期(2012年4~6月)の連結決算を発表した(ニュース・リリース )。売上高は前年同期比6%減の1兆8145億円、営業利益は同6.9倍の386億円となった。「売上高は国内のデジタルAV商品の需要低迷を受け減収となったが、営業利益は固定費圧縮などの経営体質強化によって増益となった」(同社常務取締役の河井英明氏)という。純利益は、前年同期の304億円の赤字から、378億円の黒字に回復した。

 セグメント別の業績を見ると、「デジタルAVCネットワークス」は売上高が前年同期比20%減の3597億円、営業利益は前年同期の38億円の赤字から74億円の黒字となった。売上高の減少は、薄型テレビやBlu-ray Discレコーダーなどの不振が影響した。営業利益は、構造改革や固定費の削減を実施することで大幅に改善した。

 テレビ/パネル事業単体では、「収益重視の方向に大きく舵を切ったことで、順調に回復している」(パナソニックの河井氏)という。不採算モデルの絞込みを進めることで「金額・台数は大きく減少したものの、約250億円を改善した。この結果、セット(テレビ)は2012年第1四半期に黒字化を達成、パネルは非テレビ用途が順調であり2012年第4四半期の黒字化に向けて収益最優先で進めている」(同氏)とした。2012年第1四半期における販売台数は、テレビが453万台、パネルの外販が307万台という。

 「アプライアンス」(白物家電)は、売上高が前年同期比3%増の4314億円、営業利益が同7%増の374億円の増収増益となった。コンプレッサやモータの売り上げが前年同期を下回ったものの、冷蔵庫や洗濯機の販売が好調推移した。エアコンと冷蔵庫、洗濯機の主要3商品は、「海外販売が2桁成長で推移した。特に、冷蔵庫は海外で前年同期比148%と大きく伸びた」(パナソニックの河井氏)。

 「システムコミュニケーションズ」(携帯電話機など)は、売上高が前年同期比9%減の1645億円、営業利益は83億円の赤字(前年同期は99億円の赤字)となった。「スマートフォンが国内外共に苦戦している。全体としては厳しい事業であり、今後より一層の改善策が必要」(パナソニックの河井氏)とした。2012年第1四半期における、携帯電話機全体の販売台数は60万台、スマートフォンだけでは16万台という。

 「デバイス」(電子部品)は、売上高が前年同期比7%減の3382億円、営業利益は前年同期の27億円の赤字から73億円の黒字に転換した。「エナジー」(太陽光発電やLiイオン2次電池)は売上高が前年同期比2%減の1426億円、営業利益は前年同期の75億円の赤字から1億円の黒字となった。共に、固定費の削減が黒字化につながったとする。

 この他、「エコソリューションズ」(照明事業など)は売上高が前年同期並みの3552億円、営業利益が前年同期比37%減の39億円、「オートモーティブシステムズ」(カーナビやカー・オーディオ」は売上高が同71%増の1907億円、営業利益は前年同期の37億円の赤字から、42億円の黒字になった。