図1 側面の四隅に小さいカバーがある。
図1 側面の四隅に小さいカバーがある。
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図2 側面の四隅にある小さいカバーを外すと、中からネジが現れた
図2 側面の四隅にある小さいカバーを外すと、中からネジが現れた
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図3 側面の筐体が外れた。
図3 側面の筐体が外れた。
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図4 HGST社のHDDだった。
図4 HGST社のHDDだった。
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図5 側面からHDDを見ると、HDDが中に浮いているように見える
図5 側面からHDDを見ると、HDDが中に浮いているように見える
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図6 HDDはメイン基板の裏面でネジ止めされている
図6 HDDはメイン基板の裏面でネジ止めされている
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図7 メイン基板
図7 メイン基板
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 壊れたnasneを入手した我々は、さっそく分解に挑む。が、あっけないほど簡単だった。
側面の四隅にある小さいカバーを外すと、中からネジが現れた(図1、2)。このネジは、一般的なプラス・ドライバーで回すことができる。早速、ネジを外す。が、筐体をすぐに開くことができない。筐体にあるすき間にマイナス・ドライバーを入れたり、爪を入れたりして、ようやく側面の筐体が外れた。

 内部は非常にシンプルで、大きなメイン基板があるだけだ(図3)。メイン基板に実装されたHDDを見ると、「HITACHI」のロゴが(図4)。このHDDは、容量が500Gバイトの米HGST社製「Z5K500」だった。厚さが7mmの2.5型 品で、回転数は5400rpmである。

 一見すると、緩衝材など、HDDにかかる衝撃を和らげる部材は見当たらない。側面からHDDを見ると、HDDが中に浮いているように見える(図5)。このHDDは、裏面の四隅にある小型の台座を介して、メイン基板に実装されているからだ。台座はメイン基板にネジ止めされている(図6)。このため、メイン基板が受けた振動などは、HDDにも伝わるだろう。メイン基板向けの緩衝材もなく、筐体が叩かれたり、揺さぶられたりすると、メイン基板を通じてHDDにもその振動が伝わるのではないだろうか。

 HDDやチューナ・モジュール以外で最も大きな部品は、カナダViXS Systems社の半導体チップだった(図7)。メディア・プロセサの「XCODE 4210」で、MPEG 2やH.264などで符号化された映像データを復号化できる他、トランスコードも可能なチップだ。おそらく、3倍モードでHDDに番組を録画する際に、トランスコード処理を実行するとみられる。ISDB-T方式の地上デジタル放送と、ISDB-S方式の衛星デジタル放送を復調する用途に向けて、東芝のIC「TC90532XBG」を搭載していた。この他、「K4B1G1646G-BCH9」という型番の韓国Samsung Electronics社製のチップが4個実装されていた。1チップ当たり1GビットのDDR3対応SDRAMとみられる。Ethernet端子のそばには、台湾Realtek Semiconductor社のEthernetトランシーバ「RTL8211EG」があった。

 ところで今日は2012年7月28日。「ニンテンドー3DS LL」の発売日じゃないか。分解せねば。

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