米Apple社の過去3年の四半期業績
米Apple社の過去3年の四半期業績
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 米Apple社が2012年4~6月期の決算を発表した。売上高は350億2300万ドル(約2兆7400億円)、純利益は88億2400万ドル(約6900億円)だった。売上は前年同期比で23%増、利益も同21%増と、巨額化しているにもかかわらず20%を超す高成長が続いている。

 ただし売上、利益とも前期(1~3月期)と比べるとマイナスになった。これまでクリスマス商戦明けの1~3月期を底に、4~6月期は増収増益に転じてきたのだが、今年は売上が11%減、利益も24%減となった。加えて、ウォール街のアナリスト予測が370億ドル前後と高かったため、決算発表直後にApple株は売られて6%下げたと報じられている。

 Appleにとって最大の製品である「iPhone」は前年同期比28%増の2602万8000台だった。アナリストは2900万台前後を予想していた。秋に発売が予想される「iPhone5」待ちの買い控えの影響を指摘する声が多い。

 逆に絶好調の製品が「iPad」で、この3カ月で約1700万台を売り切った。これは前年同期の925万台と比べて84%の成長である。直前の2012年3月に発表された高解像度ディスプレイ搭載の新iPadが貢献した。また、値下げした旧製品も教育市場などでよく売れた模様である。

 Mac製品の販売は約400万台(前年同期比2%増)と低調だった。デスクトップ・タイプの売上は前年同期比で19%減、このところ好調だったポータブル・タイプも前年同期比で3%増に留まった。Mac製品に関しては、6月中旬のWWDC(世界開発者会議)で製品ラインの刷新が予想されていたため、ここでも買い控えの影響があったと見られる。販売好調のiPadが「MacBook Air」や「MacBook Pro」などポータブル製品の足を引っ張っているかどうか興味深いところだが、Appleの経営幹部からコメントはなかった。

 Mac製品の世界の地域別売上を見ると、北米が128億600万ドルで前年同期比26%増。欧州が82億3700万ドルで同16%増。日本を除くアジア太平洋地域は同25%増の78億8700万ドルで、欧州の規模に近づいた。アジア太平洋地域の成長率は過去数年に比べると低く、景気減退の影響が見られる。一方、日本市場は33%増と地域別ではもっとも増加し、20億900万ドルだった。