Hawk-Eye社のGLTのイメージ。ソニーのプレス・リリースから
Hawk-Eye社のGLTのイメージ。ソニーのプレス・リリースから
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 FIFA(国際サッカー連盟)は2012年7月5日、サッカー・ボールがゴールラインを割ったかどうかを判定する技術(GLT)の正式採用を発表した。
 
 採用するのは、ソニーが2011年に買収した英Hawk-Eye Innovations社が開発した技術。競技場に設置した複数のカメラが捉えた映像からボールの軌道を独自のアルゴリズムで瞬時に解析し、ゴールラインを割ったかどうかを判定する。その判定情報は1秒以内に審判に暗号化された状態で伝送される。例えば、ゴールを割ったと判定した場合、審判が身に着けている腕輪や時計などを振動させ、審判の意思決定を支援するという。

 ソニーによると、Hawk-Eye社が採用しているビデオ・カメラは、ソニー製の産業用カメラで、固定焦点でフィールドを撮影する。サッカーの場合は、6台のカメラを用いるという。

 同技術は既にテニスやクリケットで採用されている。テニスでは現在、英国で開催中の「2012 Wimbledon Championships」など主要な大会において、審判によるボールのライン判定に対して選手が異議を申し立てる「チャレンジシステム」に使われている。

 FIFAでは、今回の技術の導入に際し、その正確さや信頼度についての評価試験を2011年から実施してきた。Hawk-Eye社の技術は、ゴール前に多くの選手が位置するようなボールが見えにくいシーンでも、FIFAの要求を満たせることが、採用に結びついたという。