右からSBエナジー 代表取締役社長の孫正義氏、京都市長の門川大作氏、京セラ 名誉会長の稲盛和夫氏
右からSBエナジー 代表取締役社長の孫正義氏、京都市長の門川大作氏、京セラ 名誉会長の稲盛和夫氏
[画像のクリックで拡大表示]
今回運転を開始したのは約2.1MWの太陽光発電所
今回運転を開始したのは約2.1MWの太陽光発電所
[画像のクリックで拡大表示]
設置角度は20度
設置角度は20度
[画像のクリックで拡大表示]
新幹線から見える場所にある
新幹線から見える場所にある
[画像のクリックで拡大表示]
雨の中、多くの報道陣が集まった
雨の中、多くの報道陣が集まった
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトバンク グループで自然エネルギー事業を手がけるSBエナジーは、2012年7月1日に太陽光発電所「ソフトバンク京都ソーラーパーク」(京都市伏見区)の運転開始セレモニーを開催した。同社 代表取締役社長の孫正義氏の他に、京都市長の門川大作氏や京セラ 名誉会長の稲盛和夫氏などが参加した。

 セレモニーでは、孫氏が「京都議定書で地球の環境を守ろうと約束した地であり、尊敬する稲盛さんもいる。その京都に建設できたことをうれしく思う」と述べた。それに対して稲盛氏は、「ここから2kmほど離れた場所で太陽電池の研究を始めた。毎年、毎年、大きな赤字を出しながら、大変な犠牲を払って事業化した。孫さんがソーラーパークを作ってくれて感無量だ」と応えた。

 質疑応答で、今後の計画について聞かれた孫氏は、「合計で200MW分を建設すると公言したが、既に約230MWの計画が確定している。今後も、余力の範囲内で努力を継続したい。条件が悪い土地も活用できるように、他の事業者と競争・協力しながら事例作りをしたい」と述べた。
 稲盛氏は、太陽電池の生産に関して聞かれ、「国内で生産してコストを下げることにこだわる。昨年は赤字だったが、生産性を高めた結果、十分に利益が出る工場運営ができそうだ。歯を食いしばって国内で生産を続ける」と回答した。

モジュール設置角度は20度

 ソフトバンク京都ソーラーパークは、京都市が所有する焼却灰などの埋め立て地に建設した。京都市は、投資回収まで無償でSBエナジーに土地を提供する予定である。

 全体の敷地面積は約8万9000m2で、最大出力は約4.2MW。このうち今回運転を開始したのは、その半分の約2.1MWになる。残りは現在建設中で、2012年9月1日の運転開始を予定している。

 発電所の設計や調達、建設は京セラソーラーコーポレーションが、施工は京セラコミュニケーションシステムが担当した。2012年5月に施工を開始し、再生可能エネルギーの全量買い取り制度が始まるこの日に間に合うように、急ピッチで作業を進めてきたという。

 建設に当たっては、土地を掘り返すことができない埋め立て地に特有の制約があった。このため、埋め立て地の上にコンクリートの基礎を直接設置する工法を採用している。

 太陽電池モジュールの設置角度は20度に設定した。30度にすればモジュール当たりの発電量が約1%増えるが、影の影響が大きくなってモジュールの前後の間隔を広くする必要がある。このため今回は20度に設定して、モジュール前後の間隔を狭くしてモジュール数を増やし、2.1MWの最大出力を確保した。