「MacBook Air」に似た筐体を実現したノート・パソコン「ウルトラブック(Ultrabook)」の出荷が伸びていない。我々、台湾Isaiah Researchが2012年の出荷台数を予測したところ、ノート・パソコンの全体の1割未満にとどまっていた。2012年10月ころには、タッチ・パネル向けユーザー・インタフェース(UI)を備える「Windows 8」の量産適用が始まる。しかし、これとて状況を大きく変えないだろう。

 そもそも、タッチ・パネルを使えるウルトラブックの機種数があまり増えない。例えば台湾Acer社(宏碁)は、Windows 8対応ウルトラブックを最多で8機種発売する予定だが、そのうちタッチ・パネル搭載機は3機種のみ。台湾Asustek社(華碩)も似た状況である。こうなってしまう原因は、ただでさえ高めの部品コストを、タッチ・パネルが一層押し上げることにある。

 ウルトラブックに用いるタッチ・パネルの大半は、「OGS(One Glass Solution)」などと呼ばれるカバー・ガラス一体型になる見込み。液晶パネルとガラス製タッチ・パネルを貼り合わせる従来の「ガラス/ガラス」式モジュールに比べて、薄くて軽くなるためだ。このカバー・ガラス一体型モジュールのコストは、2012年後半において48米ドル(11.6型)~80米ドル(15.6型)だろう。消費者価格を概ね100~200米ドル押し上げる効果がある。我々は、カバー・ガラス一体型モジュールのコストが年率7~10%のペースで減少すると見込んでいる(下図)

カバー・ガラス一体型モジュールのコスト予測(単位:米ドル)
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上図の数値データ(単位:米ドル)
1H12 2H12 1H13 2H13 1H14 2H14 1H15 2H15
11.6" - 47.9 46.5 44.7 42.7 40.4 38.8 37.5
12.5" - 54.6 53.0 50.8 48.3 46.0 44.2 42.8
13.3" - 61.5 59.7 57.6 55.0 52.2 50.3 48.8
14" - 70.5 68.0 65.5 62.4 59.8 57.5 55.8
15.6" - 79.6 77.2 74.2 70.5 67.1 64.5 62.4