開発した光場カメラで撮影したデータ情報の表示画面
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撮影デモの様子
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撮影に利用したカメラ
撮影に利用したカメラ
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 台湾Industrial Technology Research Institute(ITRI、工業技術研究院)は台北市で開催中の展示会「Display Taiwan 2012」で、データを信号処理することで、撮影後に任意の距離に焦点を合わせた映像を作成できるカメラを出展した。

 ITRIによれば、これは2011年に米Lytro社が発売したデジタル・カメラ「Lytro」とほぼ同じ原理に基づくという。Lytroは、「Light Field Camera(光場カメラ)」とも呼ばれるカメラの一つ。一般のカメラとの最大の違いは、撮影した映像データには、光の強さや色だけでなく、光が来た方向も記録されている点。光を出す角度を複数方向用意して3次元(3D)映像の表示を実現しているいくつかの3Dディスプレイの逆とも言える。撮影後の焦点合わせは、撮影データの中から特定の方向から来た光のデータを選び出すことで実現する。撮影データから3D映像用にデータを作ることも可能となる。

 ITRIはこの光場カメラを、市販のデジタル・カメラと独自に設計・開発したソフトウエア群「Digital Optics Design Platform(DODP)」で実現したという。カメラには、デンマークPhase One社の高精細カメラを利用した。「従来の光場カメラに比べて、より簡素なシステムで同様なことを実現できる」(ITRI)という。