総務省 総務大臣政務官の森田 高氏
総務省 総務大臣政務官の森田 高氏
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放送通信連携に対応したテレビ受像機のアーキテクチャ
放送通信連携に対応したテレビ受像機のアーキテクチャ
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 一般社団法人のIPTVフォーラムは2012年6月12日、「Symposium on Web and TV 2012」と題したシンポジウムを開催、テレビ受像機を中心に放送とインターネットが連携するサービスを実現するための“日本発”の技術仕様などを発表した。

 冒頭では、総務省 総務大臣政務官の森田 高氏が「スマートテレビの推進に向けて」と題して講演し、「スマートテレビは政策課題の中で最優先で取り組むものの一つ」と位置付けた。
 森田氏は、スマートテレビが有するべき基本機能として、「放送・Web連携」「多様なアプリケーション・コンテンツの提供」「端末間連携」の三つを上げた。IPTVフォーラムが策定を進めている技術仕様に準拠したテレビ受像機をベースに、2012~2013年度にアプリケーションやコンテンツの開発、検証を行う。この実証実験の成果を、Web関連技術の標準化団体である「W3C(World Wide Web Consortium)」で進められているテレビとインターネットの連携に関する国際標準規格に生かせるように提案したり、国際展開したりすることを目指す。

 IPTVフォーラムの技術仕様は、NHK放送技術研究所が開発を進める放送通信連携システム基盤「Hybridcast」がベースになっている。現在は、「テレビ受像機側の機能」と「HTML5をベースにしたテレビ向けWebブラウザー」の二つの仕様策定を進めているという。テレビ受像機上で動作するアプリケーションは、HTML5で記述され、Webブラウザー上で動作する。アプリケーションには、放送に連携するものとしないものがあるが、2012年9月には放送連携アプリケーションを動作させるための仕様を固める方針という。

 同技術仕様に対応したテレビ受像機は、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、三菱電機の5社が試作機を開発しているという。現時点で詳細は不明だが、「2013年には第一弾の製品が発売されるだろう」(関係者)。

 ただし、HTML5の勧告は2014年に予定されているため、2013年に発売されるテレビ受像機にHTML5に関する仕様がどの程度まで盛り込まれるのか、またHybridcastが提案している機能をどこまで実現するのか、など不明な点はまだ多い。