米Intel社は「COMPUTEX TAIPEI 2012」の近隣で、最大10Gビット/秒の高速インタフェース「Thunderbolt」に関する記者説明会を開催した。同社Intel Architecture Group, Director of Thunderbolt Marketing and PlanningのJason Ziller氏らが登壇した。
Ziller氏はThunerboltの用途として三つを挙げた。(1)ノート・パソコンに外付けで機能を拡張しデスクトップ機のように用いる、(2)メディア・データの高速転送や同期、(3)映像制作におけるデータ転送、である。
専用のドライバ・ソフト開発は不要
Thunderboltは米Apple社のパソコンで使われてきたが、ここにきてWindowsパソコンでも本格的に利用できる環境が整ってきた。「ThunderboltがUltrabookを加速させる」(Ziller氏)。
説明会では60個以上のThunderbolt対応製品をズラリと並べた。台湾Acer社、台湾ASUSTek Computer社、中国Lenovo社、台湾Micro-Star International(MSI)社、韓国LG Electronics社などが対応パソコンを展示していたほか、ストレージやケーブルなど周辺機器も多数展示されていた。
Thunderboltでは、上位層のプロトコルであるPCI ExpressおよびDisplayPortのドライバ・ソフトウエアをネーティブで流用できる。専用のドライバ・ソフトウエア開発は不要という。ただし、認証は別途必要である。
第2世代のコントローラLSIでは外付け部品を統合
Ziller氏は、第2世代のThunderboltのコントローラLSI「Cactus Ridge」を出荷したことも明らかにした(Tech-On!関連記事)。
Cactus Ridgeには4チャネル品の「DSL3510」と、2チャネル品の「DSL3310」がある。第1世代のコントローラLSIの「Light Ridge(82524EF)」はディスクリートの外付け部品が必要だったが、第2世代のCactus Ridgeではそれらが1チップに統合されている。パッケージ自体の寸法も第1世代品より小さくなり、トータルの実装面積は大幅に削減できそうだ。
このほかコントローラLSIには、デイジーチェーン型接続が不可能なシングル・チャネル品として「DSL2210(Port Ridge)」も用意されている。
低コスト版のケーブルも2012年後半には登場
Thunderbolt向けケーブルには、長さや価格に応じて2種類のタイプがある。電気信号を利用した0.1m~3mのケーブル、光ファイバーを利用した10m~20mのケーブルである。後者では、コネクタ部で光電変換を行うもので(Tech-On!関連記事)、2012年後半には投入される。また、低コスト版のケーブルも同時期に登場するという。