アナログ エレクトロニクスを支える基盤技術
 

日本のワイヤレス産業の敗因は、システム技術者の欠如

2012/06/01 21:00
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1977年東北大学大学院工学研究科電気及通信工学専攻博士課程 修了(工博)。同年日本電信電話公社電気通信研究所入社。1981年オタワ大学 (カナダ) 客員研究員 (Post-doctoral research fellow) (1年間)。1985年日本電信電話公社電気通信研究所 研究グループ・リーダ (10年間)。1996年パシフィック・コミュニケーションズ・リサーチ社長。同年ユニデン専務取締役。1997年ユニデン代表取締役社長。1998年ハワイ大学 Affiliate Faculty Member(現在に至る)。1999年Mitsubishi Wireless, Inc.上級副社長。2002年テラダイン代表取締役副社長。2001年Omni Wireless, Inc.社長。2006年東北大学電気通信研究所客員教授。2006年独立法人情報通信研究機構(NICT)プログラム・デイレクタ。2008年独立法人情報通信研究機構 (NICT) プログラム・コーオデネイータ。東北大学電気通信研究所 教授(現在に至る)。
1977年東北大学大学院工学研究科電気及通信工学専攻博士課程 修了(工博)。同年日本電信電話公社電気通信研究所入社。1981年オタワ大学 (カナダ) 客員研究員 (Post-doctoral research fellow) (1年間)。1985年日本電信電話公社電気通信研究所 研究グループ・リーダ (10年間)。1996年パシフィック・コミュニケーションズ・リサーチ社長。同年ユニデン専務取締役。1997年ユニデン代表取締役社長。1998年ハワイ大学 Affiliate Faculty Member(現在に至る)。1999年Mitsubishi Wireless, Inc.上級副社長。2002年テラダイン代表取締役副社長。2001年Omni Wireless, Inc.社長。2006年東北大学電気通信研究所客員教授。2006年独立法人情報通信研究機構(NICT)プログラム・デイレクタ。2008年独立法人情報通信研究機構 (NICT) プログラム・コーオデネイータ。東北大学電気通信研究所 教授(現在に至る)。
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図1
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「残念ながら、次世代無線通信システム(の主要部)に日本の技術は使われません。また、スマートフォンに日本製部品が4割近く使われているという調査結果がありましたが、10数年前の携帯電話機では8割でした。凋落も甚だしい」。このように嘆くのは東北大学教授の加藤修三氏。旧NTT時代に携帯電話やPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)の研究開発をリードし、国内外で大手機器メーカーとベンチャー企業で経営に携わった経験もある加藤氏には、「日本の無線通信業界は終わった」と映る。加藤氏にワイヤレス業界と技術者について聞いた。(聞き手は、三宅 常之=Tech-On!)

日本のワイヤレス業界の課題の一つにシステム技術者がいないことを挙げています。


 特にアナログ技術者の“守備範囲”が狭いと感じます。会社としてはシステムをつくれないと製品化できません。RF(無線周波)信号を扱うアナログ回路は無線システムのごく一部に過ぎないので、そこだけを良くしても売れません。アナログ技術者にはその点が分かっていない。日本のワイヤレス業界が縮小している一因はここにあると思います。

 NTT時代にこんなことがありました。携帯電話機を開発している私のもとへ、社内で開発中のアナログ・チップを使ってほしいという話が持ち込まれたのです。その部門の技術者と話をしたところ、技術者は携帯電話のシステムを総合的には考えていないようでした。「要求仕様を言ってくれたらそれに合わせて作る」という。「ならば、効率(電力付加効率)が100%のアンプをつくれるか」と聞きました。当然「それは無理だ」というやり取りになりました。

 これでは、大きなインテグレーションはできません。技術者がシステム全体を見ようとしないのはデジタル回路でも同じですが、アナログ技術者の方がひどいと思いますね。結局、そのアナログ・チップは、使いませんでした。

携帯電話機市場での存在感は小さいものの、スマートフォンには日本メーカーの電子部品が多数使われています。

 「日本製が4割“も”あるのですごい」という見方がありますが、馬鹿ではないですか。10数年前の携帯電話機には日本製が8割載っていたのですよ。日本の電子部品業界の凋落は甚だしい。

 次世代移動通信システム(2010年代後半のサービス開始が見込まれる「第4世代移動通信システム」)として「LTE-Advanced」と「WirelessMAN-Advanced(WiMAX2)」をITU(国際電気通信連合)が認めました。しかし、これらの主要技術は米Qualcomm社、米Intel社、韓国Samsung Electronics社など海外勢のものです。中核部に日本の技術は使われません。

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