図1 放射線量の測定機能を内蔵したスマートフォン「PANTONE5 107SH」
図1 放射線量の測定機能を内蔵したスマートフォン「PANTONE5 107SH」
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図2 測定モジュールを手に持つソフトバンクモバイルの孫氏
図2 測定モジュールを手に持つソフトバンクモバイルの孫氏
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図3 測定モジュールを小型化
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図4 筐体右下のボタンを押すと測定がスタート
図4 筐体右下のボタンを押すと測定がスタート
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図5 地図上に測定場所を表示
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 ソフトバンクモバイルは2012年5月29日、放射線量の測定機能を内蔵したスマートフォン「PANTONE5 107SH」を発表した。端末の開発はシャープが手掛けた。「小さなお子さんを持つお母さんに安心を与えたい」(同社 代表取締役社長の孫正義氏)とする。2012年夏商戦向けの新機種として、2012年7月中旬以降に発売する予定。

 PANTONE5は、Si製PINフォトダイオードを2個搭載した放射線量測定モジュールを内蔵する。測定モジュールの外形寸法は明らかにしなかったが、「SIMカード程度の大きさ」(ソフトバンクモバイルの説明員)という。これを用いて、放射線の一つであるγ(ガンマ)線を測定する。0.05μ~9.99μSv/時の範囲を、誤差±20%で測定できるとする。測定値は、常時測定中のデータから過去2分の線量を取り出して算出する他、画面表示中は10秒ごとに更新されるという。測定精度を高めるため、測定モジュール全数を「Cs(セシウム)137を用いて校正してから出荷する」(ソフトバンクモバイルの孫氏)。

 放射線量を測定する際の、使い勝手にも工夫を加えた。端末右下の専用ボタンを押すだけで、放射線量を測定し、地図上に測定位置を表示する。発売時点では、測定結果をユーザー間で共有する機能は備えない。「地面からの距離の違いにより測定結果はバラつきが生じるため、風評被害を引き起こしかねない。近い将来にバラツキを抑えられるメドが立てば、データを共有できるかもしれない」(ソフトバンクの孫氏)とした。

 東日本大震災以降、孫氏のTwitterアカウントにユーザーから多数の要望が寄せられたことで、開発に着手したという。ただし、通常の要望に比べて、「できなかった時には落胆させてしまうため、簡単に『やりましょう』とはいえなかった」(孫氏)と開発の苦労を伺わせた。「多くの人が喜んで使えるように、特別の料金体系で提供する」(孫氏)という。

 その他の仕様は以下の通り。「累計販売台数が340万台以上」(ソフトバンクモバイルの孫氏)というPANTONEシリーズの後継機種として、筐体のカラー・バリエーションは8色展開。外形寸法は約115×58×12mmで、IPX5/IPX7相当の防水性能とIP5X相当の防塵性能を備える。約3.7型で、854×480画素の液晶パネルを搭載する。ワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信などの国内向け機能にも対応する。ソフトウエア基盤は、米Google社の「Android 4.0」である。