【図1】飛行試験中のHondaJet量産型4号機。
【図1】飛行試験中のHondaJet量産型4号機。
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【図1】飛行試験中のHondaJet量産型4号機。HondaJetの大きな特徴の1つであるエンジンの翼上配置が確認できる。
【図1】飛行試験中のHondaJet量産型4号機。HondaJetの大きな特徴の1つであるエンジンの翼上配置が確認できる。
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【図3】量産型4号機の初飛行を祝うHACIの従業員たち。写真の左後ろに広がるのがピードモントトライアッド国際空港、右後ろに見えるのが量産工場。
【図3】量産型4号機の初飛行を祝うHACIの従業員たち。写真の左後ろに広がるのがピードモントトライアッド国際空港、右後ろに見えるのが量産工場。
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 ホンダの航空機事業子会社であるHonda Aircraft社(HACI)は2012年5月13日、小型ビジネスジェット機「HondaJet」の飛行試験用量産型4号機が初飛行に成功したことを発表した(ニュースリリース)。今回、量産型4号機で実施した飛行試験では、降着装置や高揚力装置などの機能試験、機体の基本性能や操縦安定性、データシステムや計器着陸システムの確認試験などを行った。

 量産型4号機は、米国東部時間の2012年5月4日10時57分(日本時間の同日23時57分)に米国ノースカロライナ州のピードモントトライアッド国際空港を離陸。高度1万1500フィート(約3500m)を速度313ノット(時速約580km)で順調に飛行したという。飛行試験の時間は74分間だった。

 量産型HondaJetの試験用の機体としては、2010年12月20日に初号機が初飛行に成功(Tech-On!関連記事1)。量産型初号機は耐空性、性能、操縦特性などの試験用で、初飛行の成功後、2011年3月には最高巡航速度425ノット(時速約787km)を、同年5月には最大運用高度4万3000フィート(約1万3100m)と上昇速度毎分3990フィート(約1216m/分)をそれぞれ記録した(Tech-On!関連記事2同3)。量産型2号機は構造試験用で、飛行試験用としては2機目となる量産型3号機が初飛行に成功したのは2011年11月だった(Tech-On!関連記事4)。

 量産型4号機の機体色にはメタリックイエローを採用している。量産型初号機はシルバー、量産型3号機はレッドだった。なお、青色の機体は2003年12月に初飛行したコンセプト実証機である。

 構造試験では既に終極荷重試験を完了しており、降着システムや防氷システムの試験を実施するなど、米連邦航空局(FAA)の型式認定取得に向けた開発を進めている。2012年内には量産型5号機による試験(キャビンシステム、インテリア/機能、信頼性の試験)を経て、量産機の生産を開始。2013年には顧客へのデリバリー(機体引き渡し)を開始する予定だ。