図1 「LG Smart TV」を紹介するLG Electronics Japanの李氏
図1 「LG Smart TV」を紹介するLG Electronics Japanの李氏
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図2 「ホームダッシュボード」を表示したところ
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図3 独自のRFリモコンである「マジックリモコン」
図3 独自のRFリモコンである「マジックリモコン」
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 LG Electronics Japanは2012年5月9日、液晶テレビの新機種として「LG Smart TV」5シリーズ14機種を発表した(ニュース・リリース)。全機種がインターネット接続サービスを強化した、いわゆる「スマートテレビ」である。2012年6月初旬以降、順次発売する予定。

 通常のデジタル・テレビ放送に加えて、ビデオ・オン・デマンド(VOD)やゲーム、SNSといったさまざまなサービスやアプリを楽しめる。さらには、約300本の3D映像コンテンツやK-POP専用ページなど、LG Electronics Japan独自のコンテンツも提供する。
 
 コンテンツやアプリを選択するために、「ホームダッシュボード」と呼ぶポータル画面を用意した。コンテンツやアプリは、分野ごとに統合して表示する。使用頻度が高いアプリは、ポータル画面下に「マイアプリ」として、ユーザー自身が選択して格納できる。ネットワーク機能のプラットフォームは、韓国LG Electronics社の海外向けスマートテレビと同様に、独自の「NetCast」を用いた。

 今回、アプリは約250種類を用意した。外部の開発者がアプリを作成して販売できる「アプリ・マーケット」は、既に海外市場では運営しているが、「国内市場でもなるべく早く対応したい」(発表会での説明員)としている。

 スマートテレビの操作性を高めるため、「マジックリモコン」と呼ぶ独自のRFリモコンを提供する。リモコンをマウス代わりにして、ポインタ操作でアイコンを選択できるのが特徴である。ジェスチャー操作にも対応する。Bluetoothを使って、リモコンとテレビ本体を通信するという。

 パソコンやスマートフォンとの連携機能も有する。まず全機種が、米Intel社が開発した「Wireless Display(WiDi)」に対応する。WiDiは、パソコンの画面をアクセス・ポイントを経由せずに直接、無線でテレビに表示できる規格である。また、最も低価格な「LS3500シリーズ」以外は、スマートフォンの画面をテレビに表示する有線インタフェース規格「MHL(mobile high-definition link)」に対応した。

額縁幅は4.9mmに

 デザイン面では、狭額縁化をアピールした。最上位機種の「LM9600」は、額縁幅が4.9mm。55型品は、従来品に比べて横幅は約75mm短くなったとする。「これまで42型品を置いていたスペースに、55型の開発品を設置できるようになる」(LG Electronics Japan 商品企画&マーケティングチーム 部長の土屋和洋氏)という。

 価格はオープン。市場想定価格は、LM9600の55型品が42万円前後、47型品が32万円である。液晶テレビの価格下落が続く国内市場では高額な部類に入るが、「マジックリモコンやスリムなデザインなどの価値を考えると決して高額だとは考えていない」(LG Electronics Japan マーケティング統括 常務の李起旭氏)とした。

 LG Electronics Japanは国内テレビ市場に2010年に再参入した際に、5年後にシェア5%以上を掲げているが、「今回の新機種で目標に向けて加速させていきたい」(李氏)考えだ。ただし、目標に対する進捗率に関しては「計画的に進んでいる」(同氏)と述べるにとどまった。

 なお、2012年1月に米国ラスベガスで開催された「International CES」で披露した55型の有機ELテレビの国内市場への投入時期については、「世界戦略の中で市場投入していく製品であるため、韓国本社と協業しながら進めていく」(LG Electronics Japanの李氏)としている。

■変更履歴
掲載当初、記事タイトルに記載した機種数に誤りがありました。おわびして訂正します。内容は修正済みです。