音声認識機能や発話機能を備えたシャープのお掃除ロボット
音声認識機能や発話機能を備えたシャープのお掃除ロボット
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見えている2つの黒い楕円の部分が超音波センサ。反対側にもう1つあり、計3つ備える
見えている2つの黒い楕円の部分が超音波センサ。反対側にもう1つあり、計3つ備える
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 シャープは、人工知能や音声認識機能、スマートフォンとの連携機能などを搭載したお掃除ロボット「COCOROBO」を発売した(ニュースリリース)。日本の住環境に合った掃除機能に加え、愛玩ロボットとして人とのコミュニケーション機能を搭載しているのが特徴だ。「生活に安心感を提供することを目指した」(同社)という。

 音声による操作が可能で、「奇麗にして」などと呼びかけると「分かった」と音声で返答して運転を開始したり、「調子はどう?」と聞くと「絶好調」などと答えたりする。加えて、独自開発した人工知能「ココロエンジン」を搭載しており、ゴミの蓄積量やバッテリ残量、部屋温度などによって3段階(良い、普通、あまり良くない)の気分を自動で設定。その時の気分によって、返答の内容が変わる。音声は日本語(標準語と関西弁)の他に、上位機種は中国語と英語にも対応する。

 カメラも搭載する。スマートフォンを使えば、室内の別の部屋からカメラの映像を確認したり、カメラを見ながら操作したりできる。別の家事をこなしながら、他の部屋の状況や掃除の様子を見るといった使い方を想定している。家族宛てにあらかじめ設定されたメッセージを残して指定時間に再生したり、録音したメッセージを伝えたりといった家族間のコミュニケーション機能も持たせている。外出時には、静止画を撮影して室内の様子をチェックすることもできる(ただし、外部からは掃除の操作はできない)。

超音波センサで障害物回避


 掃除機能は、ほこりなどがたまりやすい畳の部屋がある日本を意識したという。底面前部の左右2カ所にブラシを設けてゴミやほこりをかき集め、その間にある回転ブラシでかき込む仕組みは他社の掃除ロボットと同様だが、径が0.3μm以上のほこりを99.9%以上補足できるHEPAフィルタを搭載して排気の清浄化を図った。加えて、空気清浄機能があるとする「プラズマクラスター」の発生装置も搭載した。障害物の検出には超音波センサを採用した。赤外線センサでは検出しにくい透明なガラスや真っ黒な物体も検出できるため、家具やガラス窓への衝突を減らせるとしている。バッテリに、リチウムイオン2次電池を採用しているのも特徴だ。他社の同種の製品はニッケル水素2次電池を採用しており1年ほどで交換が必要だが、COCOROBOは3年程度は交換なしで使えるという。この他、拡張性を確保するためUSB端子を備えている。ソフトウエアのアップデートだけでなく、ハードウエアを接続して新たな機能を追加するといった使い方を想定しているようだ。例えば、将来はスマートフォン上に間取りを示して、指定した部屋だけを掃除するといった機能も考えているという。

 価格はオープンだが、市場想定価格はフル機能を搭載する上位機種の「RX-V100」が13万円、無線LAN機能やカメラ、LEDライト、音声出力機能などを搭載しない「RX-V80」が9万円。当面は日本市場のみでの販売だが、時期は未定ながら中国・アジア圏での販売も考えているという。