図1 シャープの連結売上高の推移(図:シャープの資料)
図1 シャープの連結売上高の推移(図:シャープの資料)
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図2 シャープの連結営業利益の推移(図:シャープの資料)
図2 シャープの連結営業利益の推移(図:シャープの資料)
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図3 2012年度下期は売上高1兆5200億円、営業利益650億円を見込む(図:シャープの資料)
図3 2012年度下期は売上高1兆5200億円、営業利益650億円を見込む(図:シャープの資料)
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図4 2012年度の部門別売上高予想(図:シャープの資料)
図4 2012年度の部門別売上高予想(図:シャープの資料)
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 シャープは2012年4月27日に、2011年度(2011年4月~2012年3月)の連結決算を発表した(決算資料のページ)。売上高が前年度比18.7%減の2兆4558億円、営業損益が375億円の赤字(前年度は788億円の黒字)だった。「AV・通信機器」「液晶」「太陽電池」などの主要分野で売上高が大幅に減少したことで営業赤字に陥った。さらに、液晶事業の構造改革費用などの特別損失を1859億円計上した他、繰延税金資産の取り崩しなどで法人税等調整額を1155億円計上。当期純損益は3760億円の赤字(前年度は194億円の黒字)になった。

 部門別の業績(セグメント間の内部売上高を含む)は次の通り。「AV・通信機器」は、売上高が前年度比74.4%の1兆610億円で営業損失が61億円。「健康・環境機器」は、売上高が同108.3%の2923億円で営業利益が294億円。「情報機器」は、売上高が同101.3%の2776億円で営業利益が277億円。「液晶」は、売上高が同70.2%の7209億円で営業損失が422億円。「太陽電池」は、売上高が同84.3%の2239億円で営業損失が219億円。「その他電子デバイス」は売上高が同91.1%の2381億円で営業利益が95億円。2010年度は全部門が営業黒字だったのに対し、2011年度はAV・通信機器、液晶、太陽電池の3部門が営業赤字となった。

 2012年度(2012年4月~2013年3月)の連結業績見通しも併せて発表した。売上高が2011年度比9.9%増の2兆7000億円、営業利益が200億円、当期純損失が300億円である。営業損益は、2012年度上期は450億円の損失だが、同年度下期に650億円の利益を見込む。

 液晶テレビ事業では、60型以上の大型品の国内外での事業拡大、国内を中心とした営業体制の見直しなどを行う。販売台数は2011年度比81.3%の1000万台、売上高は同86.0%の5000億円を予想する。液晶事業では、IGZO液晶パネルの本格量産開始など、モバイル機器向けの高精細パネルを中心に事業拡大を図る。売上高として2011年度比129.0%の9300億円を予想する。太陽電池事業では、国内の「全量買取制度」の開始に伴う市場成長に期待を寄せる。売上高として2011年度比116.1%の2600億円、発電能力当たりの販売量として同130.4%の1400MWを予想する。健康・環境機器や情報機器では、2011年度と同様の増収を2012年度も見込んでいるという。