米Intel社は米国時間の2012年4月24日、スーパーコンピュータを手掛ける米Cray社からHPC(high-performance computing)用インターコネクト関連資産を1億4000万米ドルで買収することで合意したと発表した(Intel社の発表資料Cray社の発表資料)。この合意に基づき、Intel社はCray社のインターコネクト・ハードウエア開発プログラムと関連知的財産を入手する。併せて、Cray社の74人の従業員がIntel社に移籍する。買収手続きを2012年6月末までに終える見込みである。

 Cray社は、HPCwire誌が2010年の「Best HPC Interconnect Product or Technology」賞に選んだ「Gemini」や、次世代スーパーコンピュータ「Cascade」(開発コード名)に使う「Aries」などのHPC用インターコネクト技術を開発した実績がある。Intel社Vice President and General Manager, Datacenter and Connected System GroupのDiane Bryant氏は、発表資料に「エクサ級の壁を超えるといったHPCの進化を継続するためには、インターコネクト技術の大幅な技術革新が欠かせない」とのコメントを寄せ、Cray社のインターコネクト技術がIntel社のHPC事業を加速させる戦略的な資産になるとの見方を示した。

 Cray社は、既存のスーパーコンピュータ製品や次世代品であるCascadeの開発・販売・サポートを継続する。今回の合意には、Intel社が将来の製品に搭載する重要な差異化機能を活用する機会をCray社が持つことや、Intel社に譲渡される資産をCray社が製品で利用する一定の権利を持つことなども含まれているという。