図1 蓄電システム本体
図1 蓄電システム本体
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図2 システムコントローラ(右)と操作パネル(左)
図2 システムコントローラ(右)と操作パネル(左)
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図3 設置例
図3 設置例
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 NECは2012年3月29日、Liイオン2次電池を用いた家庭用蓄電システムの販売を開始した(ニュース・リリース)。容量は6kWh(最低充電容量は5.53kWh)である。住宅メーカーや建材商社などに提供する。価格はオープンだが、「100万~150万円での提供になる」(NEC)という。1kWh当たりの価格は25万円以下となり、国内製の蓄電システムとしては価格が最も安いといえる。

 2012年7月に出荷を開始し、目標販売台数は年間1万台。なお、同社は2011年7月に同容量のLiイオン2次電池を搭載した家庭用蓄電システムの試作機を、100台限定で販売していた。

ネット経由で蓄電池の状況を把握

 開発品は、家庭の分電盤に接続することで、系統電力や太陽光発電システムと連携し、充放電制御ができる。太陽電池で発電した電力を蓄電できる他、電気料金が安い深夜電力を蓄電して昼間に利用することも可能。停電時には、太陽光発電システムと連携した自立運転に切り換えられる。

 インターネット経由で、NECのデータ・センターに接続する機能を備える。これにより、NECや住宅メーカーなどのパートナー企業が蓄電システムの温度や充放電の状態を常時監視して、蓄電池の安全管理やメンテナンスを実施できるという。

小型化・軽量化を実現

 販売する蓄電システムは、電池セルと電池制御ユニット、パワー・コンディショナを格納した本体と、分電盤近くに設置する「システムコントローラ」、リビングなどに配置する「操作パネル」から成る。容量が125Whのラミネート構造の電池セルを、48個使用する。

 外形寸法は幅980mm×高さ1100mm×奥行き310mmで、重さは約160kg。試作機(外形寸法:幅760mm×高さ880mm×奥行き450mm、重さ:約200kg)と比べて、奥行き方向で約3割の薄型化、重さは2割の軽量化を図った。部品配置を見直すことで、放熱性を維持したまま、薄型化と軽量化を可能にしたという。また、試作機で用いていた冷却ファンを不要としたことで、試作機に比べて静音化も実現したとする。

 開発品の量産は、NECの相模原事業場で実施する。「電池セルと組み立ての生産ラインは、新規で構築する」(同社)という。  

■変更履歴
この記事の掲載後、NECから価格について「100万~150万円」との申し入れがありました。これに伴い、タイトルや本文の一部を変更しました。現在は、変更済みです。