(その2から続く)
液晶パネルを外したiPad 2と新しいiPadを並べて比べてみる。違いは一目瞭然だ。iPad 2ではメイン基板の左側に細長い空間が空いていたが、新しいiPadではこの空間が狭くなっている。その分、2次電池の幅が広がっている。「内部はもうほとんど電池ですね」。分解に立ち会っていた記者がつぶやいた。
すぐ分かる違いはほかにもあった。iPad 2では電池を横切るように同軸ケーブルが左右に走っており、メイン基板と右側のサブ基板をつないでいた。サブ基板には背面カメラ・モジュールや加速度センサ、角速度センサなどが搭載されていた(Tech-On!の関連記事)。
これに対し新しいiPadでは、背面カメラも前面カメラなどと同様に上部のフレキシブル・ケーブルで接続されるように変更されていた。このため、電池の間を走る同軸ケーブルはなくなっていた。こちらの方が明らかに合理的な構造だ。
2次電池の容量は、iPad 2では25Whだった。電圧は3.8Vなので、電流換算では約6580mAhの容量になる。一方、新しいiPadの電池の表面には「3.7V、43.0Whr、11560mAh」と記されていた。約76%もの容量増加だ。電池駆動時間はiPad 2と新しいiPadとでほぼ同じなので、新しいiPadは消費電力が相当増えていると考えられる。
電池単体でも比べようと、筐体から電池を取り外した。iPad 2や新しいiPadでは、電池は強力な両面テープで裏ぶたにしっかり固定されている。Liイオン2次電池をヒートガンで温めるのは危険なので、ヘラだけが頼りだ。なるべく電池にダメージを与えないようにはがしていったが、それでもかなり無理をしなければ外れなかった。
電池を横に並べてみると、新しいiPadの電池の方が明らかに長くなっているのを確認できた。面積だけでなく、厚さも増していた。
次はメイン基板の比較だ。大きさはあまり変わっていないが、形は少し変わっていた。基板を取り外したところ、さらに大きな違いがあることが分かった。
(その4に続く)