図1 アセアン本部の概要
図1 アセアン本部の概要
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 シャープは、ASEAN地域での売上高を、2011年度の2倍以上となる3000億円に高める方針を打ち出した。2012年3月15日に開催したASEAN地域向けの事業説明会で、同社 常務執行役員 アセアン本部長 兼 Sharp Electronics (Malaysia) Sdn. Bhd. 会長である藤本登氏が明らかにした。ただし、実現時期は「できるだけ早い時期」とし明言は避けた。
 
 シャープは現在、ASEAN地域を重要市場の一つに掲げ、事業強化を進めている。2011年10月1日付で「アセアン本部」を設立(図1)。タイ チャチャンサオにあるSharp Appliances (Thailand) Ltd. (SATL)では冷蔵庫やエアコン、洗濯機など、マレーシア セランゴールにあるSharp Electronics (Malaysia) Sdn. Bhd. (SEM) では液晶テレビの製品企画や開発を進めており、現地ニーズに合わせた製品を投入している(図2、図3)。

 ASEAN地域の中での最重要市場として、シャープの藤本氏が挙げたのがインドネシアだ。「ASEAN事業の売上高の45%程度を占める。冷蔵庫や洗濯機などはシェア首位であり、多くの製品がシェア3位には入っている」(同氏)とする。

インドネシアに新工場を設立

 シャープは、インドネシアに冷蔵庫と洗濯機の新工場を設立することも発表した(図4、ニュース・リリース)。生産能力を増強することで、好調なインドネシア市場における事業拡大とブランド・イメージ向上を図る。

 新工場は、インドネシア カラワン県にあるカラワン工業団地に設立する。投資額は1兆2000億ルピア(約107億円)であり、インドネシア ジャカルタにある同社の製造・販売会社であるP.T. Sharp Electronics Indonesia (SEID)が100%出資する。2012年7月に着工し、2013年中に稼働を開始する予定。新工場の生産能力は、冷蔵庫が月産22万台、洗濯機が月産14万台となる計画。これにより、インドネシアでの生産能力は、冷蔵庫が約2倍、洗濯機が約2.5倍になるという。

図2 現地ニーズに合わせた製品の例(1)
図2 現地ニーズに合わせた製品の例(1)
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図3 現地ニーズに合わせた製品の例(2)
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図4 インドネシアに建設予定の新工場の完成予想図
図4 インドネシアに建設予定の新工場の完成予想図
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