「東日本大震災後、コージェネレーション・システム(CGS)の位置づけが変わってきている」。コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(ACEJ)と三菱重工業が2012年3月13日に開催した報道機関向けのセミナー「災害対応コージェネレーションシステム」におけるACEJ専務理事の石井敏康氏の発言だ。

 同氏によれば、同震災が発生する前は「CGSは省エネルギや省二酸化炭素、省コストのための機器だった」。だが、同震災発生後は「災害時のエネルギ確保のための機器という側面が加わった」(同氏)。実際、ACEJが2011年11月に実施したアンケート調査と同年12月に実施した宮城県内の主要病院4カ所に対する現地調査によれば、同大震災発生後、大半のCGS(自家発電装置含む)が設計通りに運転でき、停電時の電力供給に貢献できたという。

 さらに、CGSは再生可能エネルギと相性がいいのも特徴。風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギは、発電量が大きく変動するのが難点とされるが、CGSでそうした変動を補完できれば、より使いやすいものになる。エネルギの多様化が叫ばれる昨今、それを後押しできるCGSの重要性も増している。