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HOMEエレクトロニクス機器 > 【MWC】2013年には次世代通信のLTE-Advancedが商用化、エリクソンインタビュー

【MWC】2013年には次世代通信のLTE-Advancedが商用化、エリクソンインタビュー

  • 松元 英樹=日経パソコン
  • 2012/03/01 19:19
  • 1/1ページ
LTEプロダクトマネージャーのハナ・マウラー・シブレイ氏
LTEプロダクトマネージャーのハナ・マウラー・シブレイ氏
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複数の端末に動画を同時配信するeMBMSのデモ
複数の端末に動画を同時配信するeMBMSのデモ
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会場で展示していた無線LAN機能を搭載した小型基地局
会場で展示していた無線LAN機能を搭載した小型基地局
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 スウェーデンのエリクソンは通信機器の大手メーカー。スペインのバルセロナで開催されている「Mobile World Congress 2012」の会場では、巨大な展示ブースを構え、同社の顧客や関係者などに新技術や製品を見せている。今後大きく市場が広がると見られている高速通信技術のLTE(long term evolution)の動向について、LTEプロダクトマネージャーのハナ・マウラー・シブレイ氏に聞いた。

世界におけるLTEサービスの広がりをどう見ているか。

 LTEの利用者の中で、スマートフォンユーザーが増大しています。我々がカバーしている世界のLTEユーザーは2億5000万人です。そのうち北米が75%です。続いて韓国が大きな比率を占めています。日本はまだ少なく何十万人という段階でしょう。ただ、今後日本のLTE市場は爆発的に広がっていくと見ています。

 スマートフォンを利用しているユーザーはネットワークの品質に敏感です。そうした背景もあり、エリクソンは通信品質を最重視しています。1つの基地局で受信するデータ量は1テラビットにもなりますが、データの破損率は約1%に留めています。

LTE関連の製品を開発する上でどんな新技術に取り組んでいるか。

 LTEの無線通信を使い、多数のユーザーに動画などを同時配信するeMBMS(evolved multimedia broadcast multicast service)と呼ばれる技術があります。WMCの会場では、米クアルコムと共同で開発したeMBMSのデモを展示しています。

 eMBMSを使うことで、複数のユーザーが同じコンテンツを同時に見るときに通信の混雑を抑止できます。主に3つの用途が考えられます。1つはニュース番組などのライブ放送です。2つ目は映画などのビデオ配信。システム上で受信状況をモニターし、人気のあるコンテンツは複数回配信するといった運用ができます。3つ目はコンサート会場の中など限られた場所で配信する使い方です。

 LTEのネットワーク上で音声データを送信するVoLTE(voice over LTE)にも取り組んでいます。IP化されたLTEのネットワーク上で音声を送信することで、従来の回線交換方式と比べて、音質が高まる、接続までの時間が短縮できる、運用しやすいといったメリットがあります。ただ、現在はLTEのサービスが始まったばかりで、カバーエリアは狭い状況です。そこで、現在は音声通話をする際には3G(第3世代携帯電話)の網に接続するCSフォールバック(circuit switched fallback)という方式が使われています。

 そこから一歩進んだ技術として、LTEのエリア内ではLTEで音声通話を実現し、通話しながら3Gだけで接続できるエリアに移動した場合は、自動的に3Gネットワーク上への音声通話に切り替えるSRVCC(single radio voice call continuity)いう技術の製品開発に取り組んでいます。こちらは、2014年頃から本格的に普及するでしょう。

スマートフォンが普及したことでネットワークの混雑が問題になっている。

 特に都市部などで通信が混雑しています。大きな無線基地局で通信エリアを構成するだけではトラフィックの増大に対応できません。人工が密集している場所では、小さな基地局を増やし、1つの基地局に接続するユーザー数を減らす必要があります。そこで、大小の基地局を含め、通信の状況に合わせてユーザーが快適に利用できるように基地局を制御するHetNet(heterogeneous network)という技術も重点を置いて開発しています。

 最近では、通信の混雑を解消するために、通信事業者が無線LANのサービスを提供しています。HetNetでは、その無線LANのアクセスポイントも同時に制御します。MWCの会場では、そうした運用を想定した無線LAN機能を備えた基地局を展示しています。

LTEにはTD-LTEとFDD-LTEの2種類があり、2つの方式が混在している。

 両者は送信に使う電波を時間で分割するか、周波数で分割するかという違いはありますが、基本となる技術は同じです。ほとんどはソフトウエアの変更でカバーでき、95%は同じシステムで構築できます。ただ、個人的にはFDD-LTEのほうが世界の中で大きな比率になるのではと考えています。

LTEよりも高速なLTE-Advancedについてはどのように開発を進めているか。

 1.6Gbpsの速度を実現することを目指して開発を進めています。2011年夏にはストックホルムで1Gbpsの通信テストを実施しました。周波数は20MHz幅を3本使いました。LTE-Advancedは広い帯域が必要なので、各国で通信事業者が周波数帯を確保する必要があります。その準備を進めることができるか、端末の開発がどれだけ進むのかという問題はありますが、2013年の前半にはテストが開始され、同年の後半に商用化されるのではないかと見ています。

―― PC Online「MWC2012 特設サイト」はこちら ――

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