図1 PC向けの「Kinect for Windows」
図1 PC向けの「Kinect for Windows」
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図2 メッシュ部品をはがす
図2 メッシュ部品をはがす
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図3 メッシュ部品をはがすとネジが見えた
図3 メッシュ部品をはがすとネジが見えた
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図4 シール下にもネジがある
図4 シール下にもネジがある
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図5 今回購入したドライバー
図5 今回購入したドライバー
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 日経エレクトロニクス分解班は、米Microsoft社が2012年2月に発売した、Windows PC向けのジェスチャー入力コントローラ「Kinect for Windows」を入手した(図1)(Tech-On!関連記事1)。Kinectはもともと、同社の据置型ゲーム機「Xbox 360」向けとして2010年11月に発売された。X box 360版の発売から1年以上が経過し、内部構造も変化したのではないか。こうした考えから、分解班はWindows PC版を入手し、さっそく分解を試みた。

 Windows PC版の外見は、Xbox 360版とほぼ変わらない。筐体に記載されているロゴが違う程度だ。それ故、分解方法も変わらないはず。以前、Xbox 360版を分解しているだけに、分解方法は分かっている。さっそく分解に取り掛かる(Tech-On!関連記事2)。

予想外の落とし穴


まず、本体裏にある、メッシュ状の部品をはずす。この部品は、マイク搭載部のそばに配置されている。メッシュの隙間から音を取り込み、マイクで集音する。

メッシュ部品をはずすのは、下にネジが隠れているからだ。メッシュ部品は接着剤で付けられており、剥がすのに手間が掛かる。マイナス・ドライバーを隙間にねじ込み、引き剥がす。すると前回と同じく、ネジが見えた((図2、3)。

 ネジはここだけではない。続いて、本体裏面にはられたシール下をはがす。その下にはネジがある(図4)。ネジがシールに隠れている点も、前回と同じである。

 ふっ、ふっ、ふっ。だてにXbox 360版を分解していないぞ。そう心でつぶやきながらネジを回そうと試みる。

ん!あれ!なんか初めて見るネジ穴なんですが…。星型で中央部に突起がある。このネジをはずすには、星型で中央部に穴が開いているドライバーを使わなくてはならない。六芒星のような形のTタイプのドライバーは持っているが、こんなネジ穴は初めてだ。いきなり暗雲が立ち込める。

Webで調べてみても、星型のドライバーはあるが、中央部に穴が開いているものはない。ならば直接工具店に向かい、適合するドライバーを探すしかない。

自腹か


「えっ、お客さん、ドライバーを探している?あー、こんな形ね。これで開くんじゃないかな。ん、穴が星型?あー、確かにこのドライバーだと形が合わないねー。星型のドライバーは置いているけど、中央部に穴が開いているものはないなぁ。そりゃたぶん、メーカー独自のネジとドライバーを使っているんでしょう。結構あるんですよ、そういうこと。この売り場にあるいろんなドライバーだって、昔はメーカーの独自品だったものが多いよ。ある程度時期が経過してから、一般品として販売されるケースが多いね。今回のネジもそうでしょうねー。要は、今は開けるな、ってことでしょ。」

 いや、今開けないと意味がないのですが…。しかし、工具の品揃えが豊富で知られる、大手雑貨店でも置いていないとは。恐るべし、Kinect。だがここであきらめたら、Windows PC版の領収書を切れず、当然「自腹」になる。妻になんて言われるか…。

 そこで、何とかネジを回せそうなドライバーをいくつか購入し、編集部に戻る(図5)。再び、ネジを回そうと試みるが、やはり回らない。ネジ穴とあっていないので、当然である。

 分解を期待してくれた読者の皆様、ごめんなさい。がんばったけど、今回はここまでです。応援してくださった方々、ありがとうございました。

 謝罪の言葉が頭に浮かぶ。と、そんなときである。これとあれとそれを使えば、ネジは回るかもしれないぞ。机の上に転がっているドライバー類を見て、アイデアがぱっとひらめいた。

 さっそく、そのアイデアを試す。すると、見事ネジが外れた!これで、筐体を開くことができそうだ。