英ARM社と台湾MediaTek社は2月23日(現地時間)、両社のライセンス契約が更新されたことを明らかにした(発表資料)。今回のライセンス契約はARM Cortexプロセサ・コアに加えて、ARM Maliグラフィックス処理(GPU)コアおよびARM System IPも利用可能とされている。MediaTekはこれらのIPを利用して、スマートフォンやスマートTV、Blu-rayプレイヤー向け製品を開発するとしている。またMediaTekは、既にライセンスを受けていたARM Mali-400 GPUのIPを利用して、現在のスマートフォン/スマートTV向けのメインストリーム製品も開発予定であるとする。

MediaTekのスマートフォン・ビジネス担当ジェネラル・マネージャーであるJeffrey Ju氏は「MediaTekは量産型スマートフォンといった、需要の高いコネクテッド・デバイス向けのソリューションを提供する事にフォーカスする」と説明する。「ARMとの協業により、既に高性能で高効率のSoCを主要な機器向けに多く出荷してきた。この協業関係を更に進め、次世代のワイヤレスやデジタル・マルチメディア向けのソリューションを、最新のARM IPを用いて提供する予定だ」とする。

 ARMのプロセッサ部門執行副社長兼ジェネラル・マネージャーのMile Inglis氏は「未来のスマートフォンやスマートTVといったコンシューマ・デバイスは、高度なユーザー体験を指先で操作できることが求められる」と述べた。「ARMはMediaTekのようなパートナーと緊密な関係を保ち、高性能かつ高効率なアプリケーション・プロセサやGPUのテクノロジを提供することで、こうしたビジュアル・コンピューティング・ライフを現実のものにしてゆく。今回のMediaTekとの提携により、次世代のコンシューマ・デバイスをARMのIPで実現できることを喜ばしく思う」という。