図1 Liイオン2次電池ユニット(右)とパワーステーション(左)
図1 Liイオン2次電池ユニット(右)とパワーステーション(左)
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図2 住宅用 創蓄連携システムの概要
図2 住宅用 創蓄連携システムの概要
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図3 会場での展示(その1)
図3 会場での展示(その1)
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図4 会場での展示(その2)
図4 会場での展示(その2)
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 パナソニックは2012年2月23日、太陽光発電システムと蓄電システムを連携して、家庭内の電力を制御する「住宅用 創蓄連携システム」を発表した(プレスリリース)。主に新築住宅に向けて、同年3月21日に受注を開始する。「2012年度の販売目標は1500セット。蓄電池事業全体として70億円の売上高を目指す」(同社 専務役員でエコソリューションズ社 社長の長榮周作氏)。

 開発品は、容量が4.65kWhの蓄電池「Liイオン2次電池ユニット」とパナソニック製の太陽電池、太陽電池と蓄電池のパワー・コンディショナ機能を一体化した「パワーステーション」を組み合わせたもの。Liイオン2次電池ユニットは、外形寸法が450mm×600mm×156mm、重さが60kgであり、屋内に設置可能。満充電に必要な時間は約4時間である。ノート・パソコンなどに利用している円筒型セル「18650」を、480個使った。充放電のサイクル数は明らかにしなかったが、「1日に最低1回使用しても10年間は使用できる」(パナソニックの説明員)という。パワーステーションは外形寸法が630mm×1500mm×250mm、重さが65kgであり、屋外に設置する。

 システムを構築するには、蓄電池と太陽電池、パワーステーション以外に、電力使用量を見える化するための「ワイヤレスエネルギーモニタ」と「ワイヤレスエネルギーモニタ用電力検出ユニット」、停電時に自立運転するための「電力切替ユニット」と「分電盤(バックアップ対応用)」などが必要となる。これらを用いることで、日中は太陽光で発電した電力を使用できる他、余剰電力を蓄電池に充電して夜間などに使用できる。電力需要が高くない夜間には、系統電力から蓄電池に電力を充電し、需要が最大となる昼間の時間帯に使うことでピーク・シフトを実現できる。

 加えて停電時には、太陽光で発電した電力や蓄電池に充電していた電力を使用することで、自立運転が可能という。利用したい照明器具や冷蔵庫や通信機器などをあらかじめ設定し、配電しておくことで停電時にも電源コンセントを差し替えることなく機器を使用できるとする。

 太陽光で発電した電力や蓄電池に充電していた電力などは、7型の液晶パネルを備えたワイヤレスエネルギーモニタで閲覧できる。パナソニックの薄型テレビ「ビエラ」やパソコン、Android搭載スマートフォンなどで確認できる「モニタリングアダプタ」も提供する。  

 価格はLiイオン2次電池ユニットが121万8000円、パワーステーションが67万2000円、ワイヤレスエネルギーモニタが9万1350円、とモニタリングアダプタが4万7250円。Liイオン2次電池ユニットとパワーステーション、ワイヤレスエネルギーモニタ用電力検出ユニット、エネルギーモニター、電力切替ユニットを組み合わせた価格は211万500円となる。太陽電池は別途、ユーザーが購入する必要がある。

 なお、パナソニックは開発したシステムを、2012年2月29日~3月2日に東京ビッグサイトで開催される「PV EXPO 2012」に出展する。