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三菱電機が挑んだ組立工程の自動化、日本工場の生産性をトップクラスに

  • 高野 敦=日経ものづくり
  • 2012/03/01 00:00
  • 1/2ページ

三菱電機は、福山製作所内の配線用遮断器の工場にロボットを用いた自動組立ラインを導入した(図1)。自動化でほぼ全ての組立工程の生産能力や生産性を高め、国内外への供給拠点としての役割を強化する。

図1●配線用遮断器の組立ライン
(a)は開閉機構ユニットを製造するロボットセル、(b)は同ユニットと可動子、クロスバーを組み付ける自動化ライン。
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 新ラインで造るのは、2010年1月に発売した「WS-V」シリーズ(図2)。同シリーズはあらかじめ組立工程の自動化を前提に設計された。同年中は手作業による従来の組立ラインで造っていたが、2011年1月から満を持して自動化ラインに移行した。これに伴い、ロボット85台などに約50億円の投資を行っている。

図2●「WS-V」シリーズ
電気回路の異常電流や漏電を検知し、配線や機器の異常過熱/焼損を防ぐ。工場などの制御盤や配電盤などに使われている。
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ユニットの構造が複雑

 遮断器は主に①開閉機構ユニット、②可動子、③クロスバー、で構成されている。遮断器の組立工程は、大まかには①を造った上で、①~③をベースに組み付けて筐体内に収めるというものだ(図3)。

図3●遮断器の構造
遮断機で最も重要な機能を担う開閉機構ユニットは、複雑な形状の部品が多いので、組立工程の自動化が難しかった。
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 ①は、オン/オフの操作を手動で行ったり、過電流などが流れた場合に自動で接点を切り離したりするための機構で、遮断器で最も重要な機能ユニットである。②は、①の動作を受けて動く端子で、機種によっては複数(遮断器に接続可能な配線数と同じ数)ある。③は、①の動作を複数の②に伝達するための機構だ。

 実は従来、①~③を組み付ける工程については自動化できていた。だが、重要ユニットである①を造る工程だけは自動化できていなかった。ユニットの構造が複雑だからである。

 ロボットを用いた組立工程の自動化では、「単純形状の部品を同じ方向に次々と重ねるような工程が理想的」(福山製作所生産システム推進部生産技術課長の妹尾彰氏)だ。しかし、開閉機構ユニットにはU字形の部品が複数ある上、それらをさまざまな向きから組み付けなければならないので、自動化が難しかった。

 このように、開閉機構ユニットを造る工程は人手がかかるので、従来は外部企業に委託していた。そのため、全体の実質的なリードタイムのほとんどを開閉機構ユニットの製造リードタイム(部品を委託先に送ってからユニットになって返ってくるまでの期間)が占めている状況だった。具体的には、全体のリードタイムが5日なのに対し、開閉機構ユニットが4日だった。

 一方、顧客に対しては即日の出荷を行っているので、リードタイムとの差は製品および仕掛かり品の在庫で埋めなければならない。そのため、工場の生産性を高めるには、何としても開閉機構ユニットの組立工程を内部に取り込むとともに、同工程の自動化を実現する必要があった。

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