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富士フイルムがフレキシブルな高反射ミラーを開発、太陽熱発電などに向ける

2012/02/21 17:30
久米 秀尚=日経エレクトロニクス
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図1 富士フイルムが開発した100µm厚のフィルム・ミラー
図1 富士フイルムが開発した100µm厚のフィルム・ミラー
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 富士フイルムは、ガラスの鏡と同程度の95%の反射率を実現するフィルム・ミラーを開発した(図1)。開発品の厚さは100μmで、重さは支持体にガラスを用いる一般的な鏡の「1/20〜1/30」(同社)と軽い。太陽熱発電の集光用や、LED照明の反射板などとして、「最短で3年後をメドに実用化を目指す」(同社)という。

 開発したフィルム・ミラーは、厚さが75μmのポリエチレン・テレフタレート(PET)樹脂シート上に、熱や光で固まる樹脂を塗って機能性樹脂層(厚さは0.3μm程度)を形成した後に、銀(Ag)めっきを施して反射層(厚さは0.1μm程度)とした。さらに、透明の保護層を貼り付けている。Agめっきの下地にする機能性樹脂層がAgの結晶成長を促進し、高い反射率を生み出せるとしている。ロール・ツー・ロールでの製造が可能で、既に幅70cmで長さ30mのフィルム・ミラーを試作済み。

 薄さだけでなく、光や温度、湿度に対して優れた耐性を示すことも大きな特徴である(図2)。光に対する耐久性を評価するため、温度が50℃で湿度が50%の条件でキセノン(Xe)ランプを使って180W/m2の光を当て続けた。結果、1000時間経過しても反射率は95%を保った。高温多湿の環境で耐久性が高いことも実証した。温度が70℃で湿度が85%の場所に開発品を置いたところ、2000時間を超えた段階でも反射率は変わらなかった。

太陽熱発電での採用目指す


 富士フイルムは、今回の開発品を太陽熱発電の集光ミラーとして使用することを検討する。太陽熱発電は太陽光を鏡で1カ所に集光し、その熱によって蒸気をつくり、蒸気タービンに送って発電する仕組み。

 北アフリカでは、砂漠地帯に巨大な太陽熱発電設備を設け、HDVC送電網を通じて欧州に電力を供給する壮大なプロジェクト「デザーテック」計画が進んでいる( Tech-On! 関連記事1)。北アフリカ以外にも北米やオーストラリアの「サンベルト」といわれる太陽エネルギーの豊富な地域で開発が始まっており、一部では商用運転も行われている( Tech-On! 関連記事2)。

 現在、太陽熱発電には支持体にガラスを用いたものが採用されている。これに対して開発品は軽量で、「運搬や施工がしやすく太陽熱発電に向く」(同社)とする。さらに、屋外に設置する中ではがれた場合には、「張替えが容易という特徴も生きる」(同社)と期待を寄せる。砂漠では気温が65℃程度まで上昇することも珍しくないが、富士フイルムでは今後、より実際の使用環境に近い条件でも性能を維持できるように開発を進めていく方針である。

図2 開発品の特徴
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