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「ARM TrustZoneを容易に利用」、HDCP 2.1に沿うソフトの開発に向けたキットをEllipticが発売

2012/02/09 21:07
小島 郁太郎=Tech-On!
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tVaultの構成 Ellipticのデータ。
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代理店契約を結んだエーディーエステック代表取締役の小嶌勉氏(左)とEllipticのRuss Baker氏(右) Tech-On!が撮影。
代理店契約を結んだエーディーエステック代表取締役の小嶌勉氏(左)とEllipticのRuss Baker氏(右) Tech-On!が撮影。
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 カナダElliptic Technologies Inc.は、コンテンツ保護機能に対応した組み込みソフトウェアを開発するためのキット(SDK:software development kit)として「tVault」を発売した(日本語版ニュース・リリース1)。ARM TrustZoneなど、LSIサイドで用意されたハードウェア・ベースのセキュア機能を容易に利用できることがウリモノである。

 Ellipticは2001年に起業した。当初は、セキュア関係のIPコアを開発・提供する企業で、社名もElliptic Semiconductor, Inc.だった(Tech-On!関連記事1同2)。2009年にElliptic Technologiesに改名し(当時のニュース・リリース2)、ソフトウェアへの進出を明確にした。「そう遠くない将来に、セキュアなミドルウエアやSDKなど、ソフトウェアの売上高の方がハードウェア(IPコア)のそれよりも大きくなる」(John Kumhyr氏、Director of APAC Sales)。

 そのけん引役の一つが、今回のSDKのtVaultである。ホームサーバに動画コンテンツをダウンロードし、各種の端末(スマートフォンやタブレットPC、デスクトップ/ノートPC、テレビなど)に再配信するユース・ケースで、コンテンツ保護機能に対応した組み込みソフトウェアを開発するのを容易にするのがtVaultとする。tVaultは、これまでの事業で培ったセキュア関連の技術をベースに開発した。

 tVaultを利用することで、ARM TrustZoneのようなLSIサイドで用意されたセキュア機能の詳細を知らなくとも、それを利用するコンテンツ保護機能を備えた組み込みソフトウェアを容易に開発できるという。ARM TrustZoneのケースでは、tVaultは、保護されていないLinux環境に向けたソフトウェア部品、保護された環境に向けたソフトウェア部品、およびそれぞれの環境へのAPIなどからなる(図1)。LSIメーカーが搭載した専用回路(例えば、暗号化回路)などを利用するオプションも用意した。

 EllipticのRuss Baker氏(Director, Global Field Applications)によれば、tVaultはARM TrustZoneに限らず、さまざまなセキュア機構に対応できる。例えば、米MIPS Technologies, Inc.の同様な機能、米Intel Corp.や米Advanced Micro Devices, Inc.が近く発表の同様な機能に対応することができるという。すなわちtVaultを利用することで、セキュア機構が異なるLSI/システム間での、コンテンツ保護ソフトウェアの移植性が高まるとする。

 セキュア機構と同様に、さまざまなコンテンツ保護規格にtVaultは対応できる。最初のターゲットは、HDCPである。「HDCPはversion2.1からハードウェアのセキュア機構を利用することが求められている。このため、tVaultの利点が生きる。今後DTCP-IPでなどでも、同様の要求が出てくると考えている。さまざまなセキュア機構やコンテンツ保護規格に沿ったソフトウェアを、tVaultで一元的に開発できる」(Baker氏)。

 tVaultに対する大きな需要があると見込んだEllipticは、エーディーエステック(本社:千葉県)と代理店契約を結んだ(ニュース・リリース3)。Ellipticはすでに複数の日本企業をユーザーとして持っているが、これまでは代理人を通した直接契約の形態だった。今回、エーディーエステックを代理店としたことで、日本での事業拡大を加速する。エーディーエステックは画像処理機器の輸入販売や、バイオ関連装置(染色体メタフェーズ標本作成装置など)を開発・販売する企業である(ホームページ)。

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