ドコモ北京研究所、LTE+やWiMAX2向けアルゴリズムの開発期間を半減、"並列"MATLABを導入
米The MathWorks, Inc.は、中国DOCOMO Beijing Communications Laboratories Co., Ltd.(ドコモ北京研究所)が、LTE+やWiMAX2など向けのアルゴリズム開発で、"並列動作"版のMATLABを活用したと発表した(日本語版ニュース・リリース)。C言語やC++を使用した以前の開発手法と比較して、開発期間を50%短縮できたなどの成果が上がった。
発表によれば、ドコモ北京研究が研究開発の対象にしている無線通信システムは複雑なため、システム性能や堅牢性が解析的に検証できないという。そこで、多数のパラメータを振るモンテカルロ・シミュレーションを実行することになった。ところが、数十カ所の基地局と数百台のモバイル端末を含むようなモンテカルロ・シミュレーションは自ずと、膨大な計算量になる。同研究所では、コンピュータ・クラスタを使った並列処理を試みたものの、処理の分散配置や結果の統合の手間が大きく、別の手法を探すことになった。
具体的には、二つの並列化技術を使ったMATLABで処理することにした。二つの並列化技術は、「Parallel Computing Toolbox」と「MATLAB Distributed Computing Server」である。前者は手元のPCのMPUのマルチコアを利用して,並列処理するもの。後者はコンピュータ・クラスタのように複数のコンピュータを使って,並列処理するものである(Tech-On!関連記事1、同2)。
これによって、各コンピュータやプロセサ・コアへの処理の分散化と結果の統合の手間が軽減され、異なるアルゴリズムの性能差を短時間に比較できたり、チャネルの状態が良好でない場合の堅牢性を評価し、さらにネットワーク全体とセル端におけるスループットを評価することもできた。
数週間が数時間に
今回MATLABで開発したアルゴリズムの検証にあたって、まず、同研究所ではMATLABと「Signal Processing Toolbox」、「Communications System Toolbox」を用いて、完全な送受信チェーンを再現したシミュレーション環境を構築した。その後、Parallel Computing Toolboxを使用して通信アルゴリズムを並列化し、MATLAB Distributed Computing Serverを使用して32コンピュータのクラスターで実行できるようにした。
これで、従来は数週間かかっていたシミュレーション時間を数時間に短縮できた。そのおかげで、以前よりも4倍以上の数のテスト・ケース、パラメータ設定、および運用シナリオを検証することが可能になった。こうして、同研究所の研究者は設計の堅牢性に対する自信を高めることができたという。
「MATLAB を利用することで、コードの作成にかかる時間を短縮し、革新的なモバイル通信アルゴリズムの開発により多くの時間を割くことができた。その上、ごくわずかな変更を行うだけで、コンピュータ・クラスタを使用してアルゴリズムのシミュレーションを高速化し、広範囲の運用条件やシナリオの下で詳細な評価と検証を実行できた」(同研究所のある主任研究技師)。












