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NTTが最大15Gビット/秒のミリ波送受信モジュールを開発、映画のデータをスマホに数秒で取り込み≪訂正あり≫

2012/01/17 18:07
野澤 哲生=日経エレクトロニクス
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60GHz帯無線送受信モジュール(大きな金属の箱に乗った、小さな筐体)とそれを利用したHD映像データの送信デモの様子。
60GHz帯無線送受信モジュール(大きな金属の箱に乗った、小さな筐体)とそれを利用したHD映像データの送信デモの様子。
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送受信モジュールと、送信と受信のアンテナ部分
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12mm角の擬似反射鏡型アンテナ基板
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送受信モジュールをアンテナと同サイズに小型化した際に、実装を想定する各種通信端末
送受信モジュールをアンテナと同サイズに小型化した際に、実装を想定する各種通信端末
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 NTTは、60GHz帯で利用できる通信チャネルの4チャネルすべてに対応した小型の無線送受信モジュールを開発した。伝送距離は約50cm。データ伝送速度は1チャネル最大3.8Gビット/秒、4チャネルを同時に利用すると15Gビット/秒を実現できるという。タブレット端末、ひいてはスマートフォンへの実装も技術的には可能だとしており、キオスク端末にスマートフォンを近づけるか置くだけで、映画のような大容量コンテンツでも数秒〜数十秒でダウンロードできるようになるとする。

超高速版TransferJet?

 スマートフォンなどを家電製品などにかざすことでデータをやり取りする無線通信仕様は既にある。ソニーが開発した近接通信の仕様「TransferJet」で、携帯端末に実装されつつある(関連記事)。ただし、そのデータ伝送速度は最大でも560Mビット/秒。「これではBlu-ray Discのデータを転送するのに数分以上掛かってしまう」(NTT)。NTTの今回の開発は、ある意味TransferJetの大幅高速化を狙ったものだ。

 開発した送受信モジュールの寸法は、12cm×6cm×3cm。ただしこれは、「意図的に余裕を持たせて大きく作製した」(NTT)という。開発のポイントはそのモジュールに実装した、多層LTCC基板で作製したアンテナおよび物理層のMMIC(単一マイクロ波集積回路)、さらに従来2チャネルだった対応チャネル数を4チャネルに増やしたことだとする。

 アンテナの寸法は12mm角と小さい。「既存の製品で使われているアンテナの多くは数cm角で、面積は1/10以下になった」(NTTの研究員)という。アンテナには、NTTが2006年ごろから開発に取り組んできた「擬似反射鏡面アンテナ」を利用した(関連記事1関連記事2)。アンテナの寸法などは2009年時点から変わっていないが、特に今回、4チャネルに対応できるよう、アンテナの中心に、無給電素子を追加したという。

 4チャネルへの対応は、送受信回路中のサブハーモニック・ミキサ回路で利用する90度移相器を広帯域化することで実現した。これまではこの移相器の帯域が狭く、無理に4チャネルに対応させると「1チャネル3.8Gビット/秒というデータ伝送速度を確保するのが難しかった」(NTT)という。

 現在、開発は研究段階を終えて、実用化を考える段階にあるとする。技術的にはモジュール全体を、12mm角のアンテナ基板と同程度まで小さくできる」(NTT)とする。「3年以内にタブレット端末に実装するなどして、簡単なデモを見せられるようにしたい」(同社)。

仕様は既存の規格から良いとこどりに

 60GHz帯の無線は既に、WiGig(Wireless Gigabit Alliance)、WirelessHD、IEEE802.11ad、IEEE802.15.3cなどの諸規格があり、IEEE802.15.3c以外は製品化の動きが活発になってきているが、NTTは既存の規格をそのまま採用する予定はないという。「IEEE802.11adの規格をベースに、IEEE802.15.3cなどの仕様も組み合わせた独自の仕様にする」(NTT)。

 

■変更履歴
当初の記事では、送受信モジュールの寸法を12cm×6cm×6cmとしていましたが,正しくは、12cm×6cm×3cmです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。
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