2012年内に発売予定のDS320
2012年内に発売予定のDS320
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ベルギーguru training systems社と共同開発した、ゴルフ用のスイング解析ソフトウエア「Swinguru」 の画面
ベルギーguru training systems社と共同開発した、ゴルフ用のスイング解析ソフトウエア「Swinguru」 の画面
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 ベルギーのSoftKinetic社は、同社の既存品よりも大幅に性能を高めつつ、低価格化を実現できるとする、ジェスチャー入力装置「DS320」の試作機を公開した。

 SoftKinetic社は、独自の距離画像センサを使ったジェスチャー入力技術を開発する。同社の技術は、対象物に光を照射して反射光をカメラで捉え、その反射光の到達時間から対象物までの距離を計測するTOF(time of flight)方式を用いる。

 DS320は、同社が2011年12月に発売した「DS311」の後継機となる。DS311からの主な改良点は以下である。(1)検出対象物の走査に、従来の赤外LEDに代えて赤外レーザを採用した。これによって省電力化が可能なほか、反応速度の向上や信号のノイズが減るために精度の向上も望める。(2)対象物からの反射光を捉える赤外CMOSセンサのが画素数を4倍に高めた。DS311では画素数はQQVGA(160×120ドット)だったが、DS320ではQVGA(320×240ドット)になる。(3)斜め方向の検出角度(field of view)を従来の73°から91~92°に広げた。

 同社は現在、この技術を中国のゲーム機メーカーなどに提供しているが、今後はテレビ、セットトップ・ボックス(STB)など家電製品への組み込みを狙っている。DS311の価格は499米ドルだが、DS320は「単体では99米ドルで販売することも可能」(同社)としている。発売の予定は2012年末である。

 距離画像センサを用いたジェスチャー入力装置では、米Microsoft社の「Kinect」や台湾ASUSTek Computer社の「Xtionシリーズ」に同センサなどを提供するイスラエルPrimeSense社も、テレビやSTBへの搭載を目指している。TOF方式は、PrimeSense社の技術よりもコストが高いとされてきたが、DS320の投入によって低コスト化を果たし、応用の裾野を広げたい考えだ。