MoCAの概念図。筆者が撮影。
MoCAの概念図。筆者が撮影。
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スループット結果。筆者が撮影。
スループット結果。筆者が撮影。
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16個の端末を使い、同時にアクセスするテスト。筆者が撮影。
16個の端末を使い、同時にアクセスするテスト。筆者が撮影。
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 ホームネットワーク用の有線メディアとして米国では、テレビ放送の伝送に使用される同軸ケーブルを用いて通信を行う「MoCA(Multimedia over Coax Alliance)」が注目されている。外来の雑音(ノイズ)に強い、速い、安定している……というメリットが受け入れられ、現在、米国の1000万世帯以上がMoCAによりホームネットワークをしているという。すでに5000万個以上のMoCA向けチップが市場に出荷されているという。

 MoCA規格は2005年12月にバージョン1.0、2007年10月に1.1、2009年に2.0が策定されているが、今回の「International CES」で初めて2.0対応機器がデビューした。最大の眼目がスピード向上。バージョン1.0では135Mビット/秒(MACrate)だったが、「MoCA 2.0は16個の端末を使い同時にアクセスしてもスループット400Mビット/秒(MACrate)が確保されます。Turbo Modeは1対1で500Mビット/秒を確保可能です」と、MoCAのリーダーシップを握る米国の半導体ソリューション会社Entropic Communication社の日本支社であるEntropic Communication Japan 代表取締役の八巻明氏は言った。

 「もう一つ、マルチバンド対応のリファレンス・デザインの発表も重要と認識しています。日本ではあまり見られない光景ですが、米国ではコネクトテレビ/スマートテレビの増加が著しく、ゲームコンソール、BDプレーヤーなどをバーチャルなセットトップ・ボックスとして使用するケースが増えています。このような環境において、ケーブル、衛星、通信から来るコンテンツを、ホームネットワークにて自動的に認識し、ユーザーに負担をかけることなくMoCaが機能するというものです」。日本での展開の重要性も認識しているという。