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【CES】携帯端末の技術がすべてを飲み込む、潮目を迎えるデジタル家電の開発

高橋 史忠=日経エレクトロニクス
2012/01/11 17:59
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基調講演するQualcomm社のJacobs氏
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Windows 8を搭載したタブレット端末を披露
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Nokia社のElop氏
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Lenovo社が披露したスマートテレビ
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Lenovo社のJun氏
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 「モバイルは、いろいろなことを変えてきた。今や世界の12億人がモバイルでニュースを読み、どこにいてもエンターテインメントを楽しめる。モバイル・セントリックな時代になった」

 米Qualcomm社 会長兼CEOのPaul Jacobs氏は、2012年1月10日(米国時間)に始まった民生機器関連の展示会「2012 International CES」の初日の基調講演で、デジタル家電の潮流の変化をこう指摘した。スマートフォンやタブレット端末の急ピッチな普及で、携帯端末が技術や社会を変革する中核になったというわけだ。

 それを象徴したのは、Jacobs氏が講演で発表したMicrosoft社との関係強化だ。LTEに対応したQualcomm社の携帯機器向けの統合型プロセサ「Snapdragon S4」を搭載したタブレット端末で、Microsoft社の次世代OS「Windows 8」を動作させるデモを見せた。米AT&T社が提供するLTE回線を使った。

 Windows 8は携帯端末での利用を前提に、スマートフォンやタブレット端末で事実上の標準になっているARM系のSoCにも対応する。Qualcomm社だけではなく、他のSoCメーカもWindows 8のデモを見せた。「SoCメーカーが『Windows』になびいたのか」、「パソコン業界の巨人であるMicrosoft社がARM系プロセサに歩み寄ったのか」は議論が分かれるところだろう。ただ、確実に言えるのは、エレクトロニクス関連業界の中核企業が、こぞって携帯端末を中心とした技術革新に将来を託したということだ。

新興国経済が「モバイル」を牽引

 Jacobs氏は、モバイル・セントリック時代の牽引役は成長著しい新興国経済だと見る。「新興国のGDPは、2014年に世界全体の50%に達する。これから極めて多くの携帯端末が新興国でインターネットにつながるようになる。2015年には、世界で使われるスマートフォンなど携帯端末の半分が新興国での利用になる」(同氏)。Jacobs氏の講演で登壇したフィンランドNokia社 社長兼CEOのStephen Elop氏も、インドやナイジェリア、ブラジルといった新興国がモバイル技術の最大の消費地になると指摘した。「モバイルは、世界中の人々の生活を変革する」と、Jacobs氏は言い切る。

 モバイルが主役になる動きは携帯端末だけにはとどまらない。Elop氏の次に講演に登壇したのは、中国Lenovo社のSenior Vice Presidentで、同社のMobile Internet and Digital Home GroupでPresidentを務めるLin Jun氏。パソコンの世界シェア2位である同社は、携帯端末関連の事業とデジタル家電の事業を統合し、液晶テレビ事業に参入することを明らかにした。インターネットに接続して、動画配信サービスやアプリケーション・ソフトウエアを利用できる、いわゆる「スマートテレビ」を投入する。

 Lenovo社が今回披露したのは55型の液晶テレビ。テレビとして初めてQualcomm社の「Snapdragon」のデュアル・コア品を搭載する。ソフトウエア基盤は携帯端末向けのソフトウエア基盤「Android 4.0」。いわば、テレビの中身の携帯端末化だ。

 圧倒的な数量を確保しやすい携帯端末向けの半導体技術が、量産効果による低コスト化でコストに厳しいデジタル家電にも搭載されるという今後の動きの予兆にみえる。「Lenovoは、パーソナル。インターネットのリーディング企業を目指している。今回のスマートテレビは第一弾。これから、さらに素晴らしい製品に改良していく」(Jun氏)。

 携帯端末がテクノロジー・ドライバー(技術の牽引役)となり、デジタル家電を取り巻く技術開発の環境を大きく変容させる。そして、携帯端末関連の技術がデジタル家電の世界をすべて飲み込んでいく。今回のCESは、今後のそうした技術開発の流れを象徴するイベントになりそうな気配だ。

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