図1 ついに登場した「FUJIFILM X-Pro1」。発表会場には実機が1台しかなく、多くのプレスが群がった
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図2 外形寸法は139.5×81.8×42.5mmで、電池やメモリ・カードなどを含む質量は約450g
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図3 X-Trans CMOSは6×6の独自配列を採用してローパス・フィルタを不要に
図3 X-Trans CMOSは6×6の独自配列を採用してローパス・フィルタを不要に
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図4 交換レンズのラインアップ拡充を宣言
図4 交換レンズのラインアップ拡充を宣言
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 富士フイルムの米国子会社であるFUJIFILM North America社は2012年1月9日(米国時間)、ミラーレス・カメラ市場への参入を表明した。翌日に開幕する「2012 International CES」(開催期間:1月10~13日)に先立って開催した報道機関向けイベント(プレス・カンファレンス)で、「FUJIFILM X-Pro1」を発表した(図1、2)。

 米国では2012年2月に発売し、日本を含む世界では2月下旬以降を予定する。価格は本体のみで1700米ドル程度。本体と合わせて交換レンズを3本発表しており、こちらは各650米ドル程度という。

ローパス・フィルタをなくす


 富士フイルムは、2011年10月に開催した高級コンパクト・カメラ「X10」の発表会でミラーレス・カメラの製品化を示唆していた( Tech-On! 関連記事)。X-Pro1は、2011年3月の発売後、人気を博している「X100」やX10と同じ「Xシリーズ」として投入する。Xシリーズとしてはもちろん、初めての交換レンズ式のデジタル・カメラで、交換レンズ接続規格は独自の「Xマウント」である。フランジ・バックは17.7mmと短い。

 撮像素子は、APS-CサイズのCMOSイメージ・センサ「X-Trans CMOS」を搭載する。画素数は1630万。解像感が落ちる要因となるローパス・フィルタを省略したことが大きな特徴で、「35mmフルサイズの撮像素子を備える一眼レフカメラと同等の解像感を実現した」(富士フイルム 電子映像事業部営業部部長の松本雅岳氏)と自信をのぞかせる。

 撮像素子一般に、はカラー・フィルタとして四つの画素(2×2)で一つの色を再現するベイヤー配列の構造をしているが、X-Trans CMOSは6×6の配列を採用した(図3)。これによってモアレと偽色の発生が抑えられ、ローパス・フィルタを使わなくて済むようになるという。画像処理エンジンは新開発の「EXRプロセッサーPro」を組み合わせることで、高速動作を実現したとする。

まずは単焦点レンズを3本


 ファインダーは、X100と同様に「ハイブリッドファインダー」を備えているが、単焦点レンズだったX100と異なり、複数の画角に対応する「Hybrid Multi Viewfinder」を搭載した。Hybrid Multi Viewfinderは、装着レンズにあわせて光学系が自動で変倍する。倍率は広角時0.37倍、標準時0.6倍の2段階となっている。加えて、ファインダー内で画角が液晶表示される。ファインダー内の液晶は0.47型で144万画素である。

 交換レンズは「フジノンXFレンズ」として「XF 18mmF2 R」「XF 35mmF1.4 R」「XF 60mmF2.4 R Macro」の3本を用意した。さらに、2012年中に超広角レンズとズーム・レンズを投入する予定(図4)。2013年には高級単焦点とズーム・レンズを用意する計画だ。