タブレット端末本体と、太陽電池パネル、2次電池を搭載したカバー
タブレット端末本体と、太陽電池パネル、2次電池を搭載したカバー
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 開発途上国に在住する子供たちのデジタル・デバイド解消を目的とする非営利団体(NPO)のOLPC(One Laptop per Child)は、2012年1月9日(米国時間)に開催された報道機関向けのイベント「Digital Experience!」で、教育向けのタブレット端末「XO 3.0」を初披露した。XO 3.0にプロセサ「ARMADA 618」を提供し、同端末を共同開発している米Marvell社のブースに展示された。

 OLPCはこれまで、経済的に豊かでない子供たちにIT教育を提供することを目的に、100米ドル程度の低価格で提供できるノート・パソコンを開発してきた。既に合計で250万台を出荷したという。しかし、昨今のタブレット端末の急速な台頭によって、同端末の開発も同時に進めてきた。

 XO 3.0の最大の特徴は、電力の供給状況が不安定な発展途上国での使用を前提に、複数の電力供給手段に対応している点だ。具体的には、端末のカバーに出力4Wの太陽電池パネルおよび2次電池を装着し、端末を使っているときにカバー側の電池を充電できるようにした点。端末本体にはカバーからの電力を供給する接点が埋め込まれており、本体の電池残量が少ないときに、このカバーを装着して使える。さらに、OLPCが従来開発したノート・パソコンと同様、手回しによって発電した電力を使えるという。

 同端末は、静電容量式タッチ・センサを内蔵した8型の液晶ディスプレイを備える。OSはLinuxで、各種の教育向けアプリケーションを搭載しいてる。4Gバイトのフラッシュ・メモリと、512MバイトのDRAMを備える。駆動時の消費電力は2Wで、WiFiチップセットを内蔵する。価格については、具体的な数字を明かしていない。