Thunderboltを搭載したMacBook Airの新機種
Thunderboltを搭載したMacBook Airの新機種
[画像のクリックで拡大表示]

USB 3.0が普及期迎える

 一方でIntel社は、同様の高速インタフェースである「USB 3.0」への対応も着々と進めている。先ごろ、同社のパソコン向け周辺チップセットに、USB 3.0のホスト・コントローラ機能が組み込まれることが明らかになった(PDF形式の発表資料)。同社の次世代マイクロプロセサである「Ivy Bridge」(開発コード名)世代などで利用される周辺チップセットでは、USB 3.0機能が標準的に搭載されることになる。

 同社は2010年9月に開催されたIntel Developer Forum 2010(IDF 2010)で、同様の方針を関係者に明かしていた(Tech-On!の関連記事)。こうなると機器メーカーにとっては、USB 3.0対応のパソコンなどが一気に開発しやすくなる。このため、2012年は、USB 3.0の対応機種が大幅に増加することが予想されている。

 Thunderboltが登場する一方で、USB 3.0も普及期を迎える。互いに似た用途のインタフェースのため、どちらを主流として採用していくのか、機器メーカーの中でも意見が分かれることになる。2012年1月に米国ラスベガスで開催される「2012 International CES」では、両方の対応機器が様々なメーカーから出展される見込みである。用途に応じて使い分けるか、それとも両対応となるのか、機器メーカーの商品企画思想が見えてくることになりそうだ。

スマートフォンでもHD伝送

 このほか、スマートフォンの外部インタフェースに関しても、高速化を進める動きがある。LTE(long term evolution)の登場で、スマートフォンのWAN網のデータ通信速度が向上することにあわせ、外部周辺インタフェースの高速化を実現しようとするものだ。

 中でも2011年に話題を集めたのが、「MHL(mobile high-definition link)」である。非圧縮のHD伝送が可能で、またUSBのような電源供給も可能である。現行のMicro USBコネクタを使ってデータ伝送できる点も強みとする。スマートフォンに限らず、テレビなどの開発メーカーからの関心も集める(Tech-On!の関連記事)。開発元は米Silicon Image社だが、既に韓国Samsung Electronics社やフィンランドNokia社,ソニーなどが業界団体に加盟している。2012年1月開催のCESや、2012年2月末開催のMWC(Mobile World Congress 2012)などで、関連する話題が登場するだろう。

 2012年には、Apple社の次期iPhone「iPhone 5」や、タブレット端末「iPad 3」などが登場する予定である。さらに、Intel社の薄型ノート・パソコンのコンセプト「Ultrabook」に沿った機器も数を増やしていく。こうした端末がどのようなインタフェースを採用してサービスやアプリケーションに用いていくのか。この点も、今後のデジタル家電の主流インタフェースを見極める上で、注目点となりそうだ。