【EDSF2011 Nov.】あのMathWorks、EDSFに初めて出展
米The MathWorks,Inc.は、1985年に米国マサチューセッツ州Natickで創業した。1988年より日本では、サイバネットシステムが代理店業務を行っていたが、2009年7月に日本法人「MathWorks Japan」が営業を開始した。製品は「MATLAB」プロダクト・ファミリと「Polyspace」で、世界175カ国で100万人を超えるユーザが使用しているという。
製品の根幹は、MATLABと呼ぶ数値計算環境と第4世代プログラミング言語である。元々MATLABは、1970年代後半に計算機科学の教授がFORTRAN言語を教えることなく、計算機科学を教育するために開発に着手し、その後応用数学のコミュニティで普及し、製品化となった。
MATLABは、行列計算や、関数とデータのグラフ化、アルゴリズム実装、ユーザ・インタフェース生成および他言語とのインタフェースを取るといった機能を持つ。「Toolbox」と呼ばれる拡張パッケージをインストールすることで、さまざまなデータ解析や統計、アプリケーションへの展開が行える。また、「Simulink」というパッケージを追加することで、マルチドメインのシミュレーションと、組み込みシステムのためのモデルベース設計が可能になる。
信号処理システムやIPコア開発に適用
今回のEDSF2011 Nov.では、モデルベース設計による信号処理システム/IPコア開発を中心に展示していた。従来、データフロー制御を含むシステム設計では、異なる言語記述の混在(SystemC、C++、Verilog-HDL)や、人手によるコーディング、複雑な状態遷移記述によるシミュレーション時間劣化により、効率的な開発ができなかった。
一方、MATLAB/Simulinkを導入すれば、各モジュールの動作モデルを作成することにより、サイクル・アキュレートな高速システム・レベル検証、パラメータの組み合せによる網羅的なアーキテクチャ探索が可能になる。台湾Faraday Technology Corp.の適用事例では、シミュレーションは200倍高速になり、スループット性能の15%向上とゲート数の57%削減という効果が得られたという。
また、複雑な信号処理アルゴリズムを含むシステム設計では、新規アルゴリズムのため設計資産の再利用ができない、人手によるコーディングでは納期を守れない、実装を考慮したシステム全体の最適化ができない等の課題があった。MATLAB/Simulinkを導入すれば、高抽象度のMATLAB言語により少ない記述量で設計と検証が可能になり、開発が効率化される。さらにシステム・レベル検証環境により、広範なパラメータの組合せによる検討が可能になる。小野測器での適用事例では、高精度車速計の開発期間が大幅に短縮したという。












