10月12~15日に開催された韓国のエレクトロニクス関連の展示会「韓国電子展KES(Korean Electronics Show)」について報告する。韓国電子展の会場の一番奥は、毎年SamsungグループとLGグループの指定席になっている。この二つのブースを見て回るだけで、その年の両社の戦略がよく見えてくる。ディスプレイとその製造装置・部材の展示がほとんどである日本の「FPD International」とは異なり、韓国電子展では様々なディスプレイ応用製品の展示もある。SamsungとLGの両社がどのようなコンセプトでその製品や技術を開発しているのかがよく分かって大変面白い。
韓国電子展は、ディスプレイ関連の国際会議「IMID(International Meeting on Information Display) 」と同時開催されている。筆者が毎年IMIDに参加している大きな理由のひとつは、韓国電子展でのSamsungとLGの両社の展示ブースを見たいからである。
まず、Samsungのブースから報告する。
キーワードは2010年に引き続きスマートテレビである。75~50型の様々なスマートテレビを展示していた。基本仕様はほぼ同じで、アクティブ・シャッター眼鏡方式の3次元(3D)対応パネルにウェブ・ブラウザ機能、Wi-Fi、カメラを標準装備したものである。「Micro Dimming Plus」と呼ぶLEDバックライト・ディミング技術を採用している。
キーワードは「SMART」。スマートテレビとスマートフォン「Galaxy」シリーズの両方を意識したロゴタイプのデザインを使用している。ブースの右側にGalaxyシリーズ、左側にスマートテレビと応用例を各種展示している。テレビカメラが撮影しているのは「Galaxy SII LTE」の展示コーナーだった。
以下、スマートテレビの応用例として展示されていたものからピックアップして紹介する。