図1 間違えてアクセルペダルを踏むとメータパネルに警告灯を出して強制的にブレーキをかける
図1 間違えてアクセルペダルを踏むとメータパネルに警告灯を出して強制的にブレーキをかける
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図2 前のバンパーに4個の超音波センサ
図2 前のバンパーに4個の超音波センサ
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図3 後ろのバンパーに4個の超音波センサ
図3 後ろのバンパーに4個の超音波センサ
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 日産自動車は、ブレーキペダルを踏む場面で誤ってアクセルペダルを踏んで車両を加速させることを防ぐ機能を開発し、2011年10月上旬に開催した「先進技術説明会&試乗会」で試作車を見せた。カメラと超音波センサ(ソナー)を使い、「駐車場で車両を停めようとしている状況」を推定し、その状況で運転者がアクセルペダルを踏んだ場合に強制的にブレーキを掛ける。2~3年以内の実用化を予定する。

 日産によると、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる事故は日本で年間約7000件あり、それに伴う死傷者の数は年間1万人に上るという。このうち、駐車中での事故が約6割を占める。今回の技術は、こうした駐車場での踏み間違いによる事故を防ぐために開発した。

 車両の前後左右に一つずつ搭載した合計4個のカメラと、車両の前のバンパーに4個、後ろのバンパーに4個搭載した合計8個の超音波センサを使って実現する。カメラ4個は、車両周囲の映像を俯瞰するように表示する「アラウンドビューモニター」のものを流用する(Tech-On!関連記事)。カメラで白線などを認識して車両が駐車場にあることを推定し、超音波センサで周囲の障害物と車両の間の距離を測りブレーキをかけるタイミングを決める。

 踏み間違いによる事故防止は、2段階に分けて実施する。駐車場で車両を止めようとする場面で運転者がアクセルペダルを踏んだ場合、まずは車速をクリープ力による速度くらいに抑え、メータパネルのアイコンで危険であることを示して警告音を鳴らす。それでも運転者がアクセルペダルを踏み続けて壁などとぶつかりそうになると、強制的にブレーキをかける。障害物と車両の間の距離が20~30cm程度離れて止まれるタイミングでブレーキをかける。