凸版印刷とサントリーフーズは共同で、電子ペーパーを用いたデジタルサイネージ「まちコミ」を搭載する自動販売機を開発し、宮城県仙台市で実証実験を始めた(ニュースリリース)。この自動販売機を仙台市内の仮設住宅7カ所に設置し、仙台市や仙台市消費生活センター、宮城県警などからの情報を配信していく。実験は2011年9月26日に開始しており、2012年3月末まで続ける予定。この実証実験をもとに、両社は、自治体や住宅関連の企業・団体へ、この自動販売機の展開を検討する。

仮設住宅に設置した自動販売機
(凸版印刷のデータ)
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 凸版印刷が展開している「まちコミ」は、低消費電力の電子ペーパーを使った情報配信サービス。2008年12月に商用化し、現在は仙台市地下鉄南北線のホームの対向壁に設けた大型デジタルサイネージに地域のニュースや天気予報、広告を配信している。東日本大震災後は、仙台市ホームページの復興関連支援情報を、当局の許可を得て転載してきた。

今回設置した自動販売機の表示部
(凸版印刷のデータ)
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 今回の実証実験に使う自動販売機のデジタルサイネージ表示部は、大きさが縦122.88mm×横163.84mm(対角は約8.1インチ)、消費電力は平均で約5Wである。表示する画像や時間帯の指定など、コンテンツ配信の操作はすべてWebブラウザでオフィスなどから容易に行える。時間帯、曜日、場所に合わせたコンテンツを、少ない負荷で配信できるとする。RSSによるテキスト情報の自動更新も可能だ。また、今回の自動販売機に用いた電子ペーパーは、電源を切っても最後に表示した画像を保持する。災害に伴う停電時でも直前の情報を発信し続けることができるという。