CEATEC Japan 2011が10月4日に幕張メッセで始まった(会期は8日(土)まで)。筆者は2005年のCEATECから、LSIやICを探して会場を回っている(2010年のTech-On!関連記事)。残念ながら、年を重ねるごとにICやLSIの出品は単調減少している。そして、今年は、これまでLSIやICの展示区域だった「半導体ゾーン」が「表示デバイスゾーン」と一緒の「半導体・デバイスゾーン」となり、かろうじて半導体という言葉が残った。

 筆者はCEATECだけではなく、いくつかの展示会でもLSIを探して歩いている。2010年の12月にLSIを探して歩いた「Embedded Technology 2010/組込み総合技術展(ET 2010)」では予想以上のLSIが見つかり(Tech-On!関連記事)、少し安心して2011年を迎えた。だが、東日本大震災のせいだろうか、2011年の前半に開催された展示会では、前年までLSIをある程度は探せた展示会でもほとんどLSIが見当たらず、LSIを探して歩く記事が書けなかった。

 8月に発表されたCEATEC Japan 2011の開催概要では、半導体やLSI、ICと言った言葉が見あたらず(当時のニュース・リリース)、いよいよCEATECでも「LSIを探して歩けないか」と心を傷めていた。少し明るい話を聞いたと思ったのは9月下旬に行われたインテルの記者説明会である。主な内容は、9月中旬に米Intel Corp.が米国で開催したIntel Developer Forum (IDF)2011のトピックスの紹介だったが、代表取締役の吉田和正氏から「初めてCEATECで自社ブースを構える」との予告があった。Intelは売上高で世界1位の半導体メーカーである。2009年にIntelが行ったCEATECの基調講演は、その年のIDFを彷彿とさせるような内容だった(Tech-On!関連記事)。今年のCEATECでは、チップがたくさん展示されるだろうと思って、初日の10月4日を迎えた。

家電製品のゾーンにあった

 ところが会場案内図を広げて「半導体・デバイスゾーン」(Hall 7/8)を探しても「インテル」という社名が見当たらない。50音順の出展者リストを探すと確かにある。ブース番号は「1A03」(写真1)。再び会場案内図を見てその番号を探すと、「ホーム&パーソナルゾーン」(Hall 1~3)にある。10月3日に先行記者説明会を開いて最新鋭のテレビなどを紹介した東芝やソニーと同じゾーンだ。デスクトップ/ノートPCやサーバー用のプロセサの覇者のインテルは、タブレットPCやスマートホンでは出遅れている。その挽回策の一環で、「家電製品が並ぶゾーンにブースを構えたんだな」と考えながら、インテルのブースを訪れた。

写真1●インテルのブース Tech\-On!が撮影。
写真1●インテルのブース
Tech-On!が撮影。
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 しかし驚いたことに、インテルのブースにはチップの展示がなかった。奥のテーブルに埋め込まれたディスプレイでチップが映されているだけで(写真2)、実物の展示がない。代わりにあるのは、Ultrabookなど応用製品や応用技術である。ただし、Ultrabookも製品が単に並んでいるだけで、ハードウェア好きには物足りない。

写真2●インテルのブースのテーブルにある「CPUの歴史」 Tech\-On!が撮影。
写真2●インテルのブースのテーブルにある「CPUの歴史」
Tech-On!が撮影。
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 むしろ東芝のブース(ブース番号2A56)に展示されているUltrabookの方が、筐体を開けた状態で興味が持てた(Tech-On!関連記事)。筆者のような来場者は少なくないようで、何名もがその筐体を開けたUltrabookの写真を撮っていた(写真3)。

写真3●東芝のUltrabookの展示 Tech\-On!が撮影。
写真3●東芝のUltrabookの展示
Tech-On!が撮影。
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