図●交換留学・インターンシッププログラム「Zero Carbon Leaders Program」の運営構造(図は日産財団提供)
図●交換留学・インターンシッププログラム「Zero Carbon Leaders Program」の運営構造(図は日産財団提供)
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 日産自動車とルノー、早稲田大学、フランスのSuplec大学など6者は、2011年10月1日から新しい交換留学・インターンシッププログラム「Zero Carbon Leaders Program」(ZCLP)を始めると発表した。低炭素社会を実現するための人材育成が目的で、早稲田大学とSuplec大学(Ecole Superieure D’Electricite)の博士後期課程の大学院生を1年間、交換留学させ、かつ日産とルノーでそれぞれお互いにインターンシップを実施するプログラムである。

 大学院間での交換留学と企業でのインターンシップを組み合わせた点に新規性があり、グローバルに活躍するリーダー格の人材を育成することを目指している。研究対象は「次世代電気自動車の開発や燃料電池、モビリティ軽量化設計」分野と説明する。

 今回の新しいプログラムは日産、公益財団法人日産財団、早稲田大理工学術院、ルノー、ルノー財団、Supelec大の6者で実施する(図)。Supelec大は、フランスの電気・エネルギー工学分野や情報科学分野で、欧州のトップクラスの研究大学として知られている。既に、早稲田大大学院生1人とSupelec大大学院生がそれぞれ1人ずつが選ばれ、交換留学を進めている。Supelec大の大学院生は2012年度の交換留学になる見込み。

 早稲田大の大学院生の場合は、最長1年間にわたってSupelec大で低炭素社会実現の研究をすると同時に、ルノーで実務面でのインターンシップを受け、実務を経験する。日産財団は、早稲田大学の大学院生1人に対して、年間300万円を支給し支援する。この経費の中には、Supelec大での研究資金となる約3000ユーロが含まれている。

 今回発表されたZCLPプログラムは、2006年2月に日産と早稲田大と提携した包括連携協定を発展・拡充したもの。日産財団とルノー財団がそれぞれ参加し、人材育成の資金提供を行う。日産財団によると「支援事業をこれまでの研究助成中心から人材育成強化にまで拡大し、かつグローバルに展開することを意味している」という。

 早稲田大理工学術院は2009年度から「実践的博士人材育成プログラム」(運営は博士キャリアセンター)を実施している。5年間の計画で、産業界でリーダーシップを発揮できる人材育成を図っている。今回のZCLPプログラムは、このプログラムを拡充する一環として実施される。