会場となったDisneyland Hotel 筆者が撮影。
会場となったDisneyland Hotel 筆者が撮影。
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ITC 2011会場 筆者が撮影。
ITC 2011会場 筆者が撮影。
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プライベート・ショー 筆者が撮影。
プライベート・ショー 筆者が撮影。
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Bill Eklow氏 筆者が撮影。
Bill Eklow氏 筆者が撮影。
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展示会場 筆者が撮影。
展示会場 筆者が撮影。
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 2011年のInternational Test Conference(ITC 2011)は、9月18日~23日に米国カリフォルニア州アナハイムで開催された。3年振りの西海岸での開催で天気にも恵まれた。会場はDisneyland Hotelである。1990年代のITCとまでは言えないものの、ミッキーマウスの地元の効果か、ITCが長期的低迷から回復したことを印象付けた。

 ITCはテスト技術に関する世界最大の国際会議で、論文発表をはじめ種々のイベントを開催していて、世界各国からエンジニアや研究者が多数参加する。今回は1970年の初回から数えて42回目、「厄年を転じて福とする」ではないが、アナハイムでの初めての開催によって再生への第一歩を踏み出したと言える。

 アナハイムはDisneyland Resortで有名な観光地で平日でも観光客が絶えない。例年のITCとは打って変わったカジュアルな場所が幸いしたせいか、今年は参加者数が昨年よりやや増加して約1600名になった。長期低落傾向からの回復が窺われた(うかがわれた)。日本からの参加者は40名を超え、論文発表等で貢献を果たした。論文投稿数は約200件で昨年よりやや減少したが、採択論文を絞り込んで質の高い論文を厳選したようだ。その中で、日本から6件の論文が採択され、良く健闘したと言える。

Disneylandサイドとコラボ

 例年ITCでは、論文発表の3日間を中心とする約1週間を「ITC Testweek」として、さまざまなイベントを設けている。今年も9月18日と19の両日に計12件のチュートリアルが開催されたのを皮切りに、メインとなる20日~22日には17セッション55件の論文発表、4セッションのレクチャ・シリーズ、3セッションの事例発表、4件のパネル討論会、9件の企業プレゼンテーション、37件のポスター展示などが行われた。9月23日と24日の3件の併設ワークショップまで、多くのテスト技術関連行事が集中して実施された。

 今年のITCで目を引いたのは、Disneylandサイドとのコラボレーションである。レセプションをDisney California Adventure Parkで開催し、「The World of Color」のプライベート・ショーを実施したほか、招待講演としてDisney Spectacularの制作に関する講演などが行われた。また、ITC実行委員長の米Cisco Systems, Inc.のBill Eklow氏は、期間中ミッキーマウスのマジカルハットをかぶり目印にしていた。

展示会の出展社数が増加

 併設の展示会には46社が出展した。昨年の42社と比べて、こちらも回復傾向を示した。米Cadence Design Systems, Inc.が展示会から撤退したのは気になるが、米Mentor Graphics Corp.のブースにおいてはユーザー企業からのプレゼンテーションが例年どおり行われ、人垣ができていた。全体的に展示会場に人が多く、ここでも回復の兆しが垣間見えた。

 また、ITCの開催に合わせた関連イベントも例年どおり開催された。例えば9月19日にはITCと同じ会場で「Industrial Test Challenges Meeting」が、ITC会場に隣接するDisney Grand California Hotelでは米Synopsys, Inc.のTest Special Interest Group Meetingが開催されていた。