図1 60型の4K×2Kテレビ
図1 60型の4K×2Kテレビ
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図2 シャープが狙う領域
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 シャープとI3(アイキューブド)研究所は2011年9月29日、「4K×2K」(3840×2160画素)映像の表示に対応した60型の「ICC 4K 液晶テレビ」の試作機を都内で披露した。2011年9月2~7日にドイツ・ベルリンで開催された家電展示会「IFA2011」に出展したものであり、国内では初披露となる(Tech-On!の関連記事1関連記事2)。

 I3研究所が開発した画像処理LSI「ICC」(integrated cognitive creation)と、シャープが開発した4K×2K対応の液晶パネルを組み合わせた。ICCは、I3研究所が2011年5月に発表したものであり、1920×1080画素のフルHD映像から、人が対象物を実際に見たような高精細な4K×2K映像を生成するのが特徴である(Tech-On!の関連記事3)。I3研究所は、ICCを搭載した液晶テレビを「シャープのみと開発する」(同社 代表取締役 社長の近藤哲二郎氏)という。

 シャープは、60型以上で4K×2K対応の液晶テレビを製品化することで、「臨場感と実物感の得られる新たな映像空間を提供していく」(同社 執行役員 AVシステム開発本部長の寺川雅嗣氏)とする。販売時期は「2012年半ば」(同氏)としながらも、投入する画面サイズや販売地域、価格などについては、「開発が始まったばかりであり、これからマーケティングを進めていく」(同氏)と述べるにとどまった。

 製品化に向け、「パネルと信号処理の両方を最適なものに調整を加えていく」(シャープの寺川氏)。今回の試作機では、直下型の白色LEDバックライトを用いた液晶パネルを使用したが、「あくまで試作機であり最終的に決まったものではない」(同氏)という。パネル単独でのγ(ガンマ)カーブや色再現範囲などを変更していく可能性もあるとした。

 ICC 4K 液晶テレビの試作機は、2011年10月4~8日に開催される「CEATEC JAPAN 2011」のシャープ・ブースで披露される予定。