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光インタフェースを通じてVAIO Z本体と接続する「Power Media Dock」(以下、ドック)の外観は,従来の外付け型光ディスク装置とほぼ同じ。実際,ドックは光ディスク装置を内蔵する。ドックの特徴は,内部にGPUを備えている点にある。光インタフェースを使って本体とドックを接続すれば,ドック内のGPUを演算処理に利用できる。GPUは,AMD社の「Radeon HD6650M」である。
ドックは2種類ある。DVD対応機とBlu-ray Disc対応機だ。今回はDVD対応機を購入した。ドックの筐体ケースをはずすと,DVD装置の横にL字型のメイン基板が配置されている(図1)。さっそくメイン基板を取り出す。メイン基板の面積のほとんどを,放熱ファンや銅製ヒートパイプといった放熱部品が占めている(図2)。
光送受信モジュールは,放熱ファンとヒートパイプの間,メイン基板中央に配置されていた。さっそく基板への接続用ソケットから同モジュールを取り出す。外観は本体側に搭載されていた光送受信モジュールとまったく同じ(図3)。おそらく同一のものだろう。
ヒートパイプと放熱ファンを外すと,GPUと光インタフェース用制御LSIが実装されているのが分かる。「あっ,2チップある!」。そう,制御LSIが2個実装されているのだ(図4)。パッケージ表面の刻印(CLV2510など)を見る限り,本体側に搭載されていたLSIと同一のものだとみられる。本体側は1チップなのに対し,ドックは2チップ。ぱっと見ただけでは,2チップ搭載した理由は不明だ。だが,ある技術者は,「搭載しているインタフェースが多いことに一因があるのでは」と推察する。
ドックには光インタフェースのほか,アナログVGAやHDMI,USB 3.0,USB 2.0,Ethernetのコネクタが搭載されており,本体よりもインタフェースの数は多い。
続いて,光インタフェースの挿入側(プラグ)の構造を探るため,ケーブルの先端部分の分解に着手する。
――続く――
VAIO Zの分解/分析の詳細は日経エレクトロニクス10月3日号と、(10月7日開催のセミナー)で紹介する予定です